非実在辞典

ひとえあきら

「兄」(あに)

自身から見て、親を同じくする年長の男子。必ずしも遺伝上の血縁関係は必須ではない。

一般的に血縁関係がある場合は男性主人公の仇敵または陰から助ける美味しい役として、無い場合は特に女性主人公の禁断の愛の相手になったりならなかったりする。


言語学上の同義語や別称に「愚兄」「兄貴」「兄上」「兄さん」「お兄様」「お兄ちゃん」「にぃに」などがあるが、時と場合によっては必ずしも同義とはならないのが言葉の難しさである。


謙譲語の「愚兄」と幼児語の「にぃに」は別格としても、例えば「兄貴」は場合によっては同性の恋人の呼称ともなり、怖い職業の方々の上司や先輩を指す呼称ともなる。また「アニキ」と片仮名表記した場合は特定の歌手を指したりもする。


「兄上」「お兄様」は比較的上流階級の家庭での呼称であるが、前者は弟、後者は妹からの呼称である場合が多い。とは言え妹がボクっ娘であるとかその家庭が武家や騎士の家系であれば妹からの「兄上」呼びも無い訳では無い(例;「意外と兄上も甘いようで」)。また「お兄様」も先の「アニキ」のように平仮名表記で「おにいさま」とすると、何故か百合度合いが増し増しになってしまうといった例も報告されている。


比較的汎用性が高いのが「兄さん」で、これは呼称者が弟でも妹でも、また家庭環境の如何を問わず使用できるため、使用例としては顕著である。但し、丁寧語のつもりで「お兄さん」とすると、本来の意味の他にも、他人から見た青少年男性に対する呼称になる場合もあるので注意が必要である(類義:シャチョサーン)。


「お兄ちゃん」も同様に汎用性が高い例だが、どちらかというと比較的年少の弟妹からの呼称である場合が多い。それとは別に家族内の年長者からも下の弟妹視点からの呼称という意味で、例えば母親から「お兄ちゃーん、ちょっと来てー」と呼びかけられた当の相手は当然彼女の兄ではなく彼女の息子であり下に弟妹がいるということが判別できる。但し特定の声色で発せられた場合は背徳感増し増しになるという例も報告されている。尚、こちらは逆にフランク感を出そうと丁寧表現の「お」を外した「兄ちゃん」とすると、大抵は問題ないものの場合によっては怖い職業の人と間違われる危険があるので注意したい。

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