第3話 久しぶりのカード集め
人間がトランプゲームの神経衰弱で遊ぶように、机に並べた生きているものと亡くなったものの思いをセットにして、仕分けしていく。
そして、集めたカードは解凍されて、両者の思いを秤で計られたり、会うための手続き担当の仕事に別れていく。
ともかく、エミリーの意外な特技がこの神経衰弱で、梅雨などの時期はここでアルバイトをしている。
そして、世の中の常(?)として、ここ天界でもそれなりに、仕事がこなせる実力があれば周囲からも可愛がられる性質がここ北の天空城の大広間横の部屋においてもあって無愛想ながら、エミリーも可愛がれているのだ。
先ほどは神経衰弱と伝えたが、日本でいうカルタ遊びの文化に近いという。
つまり、読み札である生きている側の思いを一名が読み上げ、まずそれを要約したカードを四人ほどのメンバーで競いながら探す。
また受け手といわれる死者の思いをもう一名読み上げ、またこちらを要約したカードを四人で探す作業である。
ついでにいうなら、読み手、受け手は男女でペアを勤め、生まれつき声がよくとおるもの、声はよくないが、聞き取りやすい発音など努力しているものが、死神、天使を問わず選べられ、ランクによって決まっている。
また部屋の大きさから、最大四チーム編成だが、こちらもA級からD級まで個々の年間成績や研修&大会などで、決まる仕組みとなっている。
ともあれ現在C級だが、真剣に打ち込めばA級が見込めるといわれるほど、エミリーはむいているらしい。
そのわりに本人にやる気もなく、今日も淡々とゴスロリ服の返済のことだけエミリーは考えているのだ。
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