【α版】俺の推しVtuberの魂が俺の親友(♂)だったんだが元も可愛いから困っている。
小鳥 遊(ことり ゆう)
第1話
「今日は配信に来てくれてありがと~。じゃ、またね~♪」
はぁ......。今日も生きててくれてありがとう。そしてさようなら1万円よ、お前のことは忘れない。
俺の推し、バーチャルユーチューバー:のえるちゃん。彼女はチャンネル登録者数20万人という今の新人Vとしては驚異の数をたたき出した最強かわいいサキュバスだ。
そして俺はバイト代をスパチャとグッズに溶かすガチ勢、
「今日も、遥のやつ休みかよ。単位落とすぜぇ!? まあ、あいつ頭いいから大丈夫なんだろうけど」
お昼になってようやく奴があらわれた。
「いやぁ、遅刻遅刻。いちず、ノートを見せて」
「はぁ、はいよ」
「うわぁ字きったねえ」
「なら見せねえ」
「悪かったよ! ジュースおごるからよ」
こいつの笑顔に勝てる奴がいたら紹介していただきたい。この男、気持ちが悪いほどに可愛げのある顔立ちをしているのだ。だから、男女問わず墜ちない人間などいない、最強の人たらしなのだ。まあ俺は中身のオタク性と自堕落さを知っているので何のときめきもわかないが......。そもそも男に興味ないし!
ジュースをもらい受け、ノートを貸し与える。そして視線......。美少年がモブとつるんでるんだ不思議に思わない方がおかしい。
「次も一緒だっけ?」
「ああ、そうだよ。ちゃんと来ねえと単位落とすぞ?」
「わかったよ。一緒にイコっか?」
何を聞き間違えたか鼻血を吹き出す女性陣。次の講座では隣の席に座り、授業を受けた。子守歌のような教授の話声に船をこぐ俺だったが、遥は凛とした姿勢で受けていた。眺めていると余計に眠たくなってきた。もういいや、ノートはこいつに任せよう。机に突っ伏して寝てしまう。
ふと目を開けると同じような姿勢で見つめる遥がいた。彼は少し笑みを浮かべてささやいた。
「おはよ」
「うわぁ!?」
「うわぁは無いでしょ。仮にでも友達だよ?」
「授業は?」
「とっくに終わってるよ。今日はもう講座終わり?」
「ああ」
「じゃあ、ラーメン食べてお前んちでゲームしようぜ!!」
そういうと彼は俺の脇をかかえてはしゃいでつれていくのだった。
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