第8話 縁日~的屋の謎
ここは2Fの宴会場。2人の影があった。
1人はラーメン屋のおやぢ。
もう1人は、ラーメン屋のおやぢに向かって土下座している三次だ。
「頼むよ兄貴! うちのシマでやってる縁日に出店してくれよ!」
そう頼み込むのは弟分である三次は切羽詰まっていた。
――当然だが、この店では【焼きそば】も美味い。
店舗で出す【焼きそば】は、一皿700円という【焼きそば】にしてはそこそこ高い。
豚肉、キャベツ、玉ねぎという何の変哲もない焼きそばだったが、使ってるソースに秘密があった。市販されているコーミソースに鰹節と昆布を漬け込み、謎の調味料を加えて熟成してあるものを使用している。これだけの手間がかかって居れば当然商品も高くなるが、美味しければ問題ないわけだ。
「わかった。出店してやるが、この店と同じ利益分貰うからな」
「へい、それで大丈夫です」
そう言うと三次は踵を返して帰っていく。
今回おやぢは、あくまで出店側だが、アルバイト1人に出店を切り盛りさせる。おやぢは、あくまで会計の為に店に居るだけのつもりだ。
その出店の横には三次が所属してる系列の祭りくじの店を出店するらしい。
祭りくじで集まった人に焼きそばを売る。集客と利益は見込めるわけだ。
――のちに隣で出店する祭りくじ屋が有名になるのは、別の話である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます