気づき
その後部屋に行きスマホを見ると、彼からメールが来ていた。
》顔色すごい悪かったけど大丈夫?今日はゆっくり寝なね。
どうしてこんなに優しい人に嘘を重ねないといけないのかな。
ずっとそう思った。
次の日、彼との待ち合わせ場所に着くともう彼は着いていた。
「おはよう。」
そう言いながら彼は右手を振った。
「おはよう。今日は早くついたんだね。」
昨日のことはなるべく触れたくない。
謝りたい気持ちもあるけど、思い出したくない気持ちの方が大きくて、触れてほしくなかった。
それが彼にも伝わったのか、昨日の話をすることは無かった。
学校に着いた。
私と彼はクラスが違うから昇降口でお別れ。
「また帰りね。」
いつもと同じことを言って手を振ってお別れ。
学年中にもう広まってしまった私たちの交際だが、初々しい平和なカップルと言われ、評判はいいらしい。
他のカップルはハグしただのキスしただの、私には考えられないようなことをしてるらしいけど。
そうこうしてるうちに、付き合って2週間と半分が過ぎた。
いつものように一緒に帰っていた時、また彼は
「今日こそ手を繋ご。」
と言ってきた。
咄嗟に私は、
「昨日部活でペアのテニスラケットが当たっちゃって…」
また嘘をつこうとした時、
「いい加減にしろよ。いつもそうやって言うけどさ、絆創膏すらしてないじゃないか。それに、この前頭撫でた時も、すごい嫌そうな顔してたよな。本当は俺の事好きじゃないだろ。」
「違う…そういう事じゃ…」
「じゃあどういうことだよ。もういい。帰る。」
はぁ、結局嘘はバレたたんだ。
それをわかって黙っててくれたんだ。
家に着いて、メールで謝ろうと思ってスマホを開いた。
すると1件の通知。まさか…。
予想は当たってしまったようだ。
》もう付き合ってる意味がわからなくなった。別れてください。
私はその場に泣き崩れた。
なんでこんなことになったんだろう。
こんなことになるなら、我慢してでも手繋げば良かった。
それと同時に、私は他の人と違うということに気づいてしまった。
こうして私の最初の青春は終わった。
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