第127話花見
小野田家の庭の桜も満開である。チヨは
「毎年毎年毛虫が出るから切ろうかと思ったんだがねぇ」
そう言いつつも毎年桜は残している。ソメイヨシノでは無く、山桜なので満開でも派手には咲かない。しかし
「もう春ですか。あっというまでしたね」
吉村が
「我々もすっかり現代に馴染んだのでは?」
永倉が言うと
「いや、まだまだわからぬ事が多すぎます」
缶チューハイを飲みつつ斉藤が言った。
隊士一同にとって現代は
「得体の知れぬ時代」
であることに変わりはない。しかし原田や斉藤、吉村などは積極的に現代に挑戦している。近藤もそうである。しかし土方、沖田、永倉は保守的な態度を示している。何時帰るかも知れないと言う
「まあまあ、皆さん、あまり深く考えずに生活しましょう」
祐介が言った。隊士達の最期を知っているからにはできるだけ現代では穏やかな生活を
「ここからが我々の花見ですね」
沖田はノンアルコールビールを飲みつつ言う。
「諸君、我々が現代にやってきてはや半年である。諸君それぞれ思うところがあるとは思うがそこは
近藤はそう思っているが隊士は結構エンジョイしている。
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