第89話永倉、自転車に乗る
「詩織殿、話があります」
永倉が詩織に話しかけた。珍しい。
「どうされました」
「街を行く人々の乗り物は何でしょうか」
しばらく詩織は考えて答えた。
「ああ、自転車ですね」
「是非一度乗ってみたいのですが」
「良いでしょう。乗って見ましょう」
永倉と詩織が河川敷までやって来た。沖田も斉藤も居る。
「沖田君、手を離さないように」
フラフラしながら自転車に乗る永倉。詩織がアドバイスする。
「どんどんペダルを踏んで漕いでください。早く漕げば安定します」
今度は沖田が乗ってみた。フラフラだが中々上手い。
「街でよく見かけたが、こうして乗るんですね」
今度は斉藤が乗ってみた。三人の中で一番上手い。一人で漕げる。永倉は褒めた。
「斉藤君、大したものだ。乗れるじゃないか」
「手軽な乗り物ですが、なかなか危険ですよ」
斉藤は街で何度かぶつかりそうになっていた。
「しかし自転車に乗れば確実に色々な所に行けますぞ」
斉藤は何度か乗る度に上手くなった。全員、少し練習しただけで上達した。詩織は
「自転車は便利な乗り物ですが危険な乗り物です。交通ルールを守らないといけません」
永倉が聞いた。
「交通るーるとは何ですか」
「現代では皆さんの見た通り、自動車が走り、二輪車が走り、自転車が走り、歩く人が居ます。それぞれが交通ルールを守ってこそ、道を安心して通る事ができるのです」
家に帰り、詩織はここに来て気が付いた。しっかり交通ルールを隊士に伝えていない。斉藤は理解しているようだが…
「信号が青になれば渡れ、赤では止まれです」
斉藤が言った。原田も続く。
「これくらいは現代社会の常識ですぞ」
仕事に車で同乗する原田は自信たっぷりに答えた。
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