第2話 エキストラからシンデレラになんてなれない。

教場2を観て、不思議な気分にとらわれた。

味方良介。私が舞台を去って、何年か経って、私と同じ舞台に立った人。

そして、私は木村拓哉は、昔嫌いだった。嫌いだった、と過去形なのは、思い出したくない体験に基づいている。


長い長い話になるかもしれない。

若い子の夢を壊すことになるかもしれない。


だからこそ、話したくなかった。


これを話そうと思ったのは、

山田裕貴が、10年前に芸能界にいなかったからだ。


もう、10年以上前になる。


私は、女優になるか迷っていた。

しかしながら、理由は不明だが、オーディションに出るのも、人前に出るのも、ライブに参加するのも全部怖くてダメになってしまっていた。


4年間の誹謗中傷で精神的にぼろぼろになり、うつ状態になり、大学時代、ベッドから起き上がれなくなるぐらい、ひどい精神状態だったのだ。

こんな状況だから、「明日朝起きられないかもしれない」恐怖に毎日、おびえていたし、知名度が上がるのは怖かった。

あの時代、誹謗中傷に近い言葉も何個か聞いた。


こえ部、というインターネットサークルにいたのだが、

「子役だった」と伝えると

「絶対嘘でしょ」と言われた。


そう言われると、反論しようがなかった。


追い討ちをかけるかのように、

「表舞台に立てない人間もいるのに、

 ぜいたくだ」と

言われた。


はっきり言って、迷惑だが、この時代の地獄は、これで終わりではない。


このコロナ禍で「昔の芸能界はよかった」なんて言う輩がいるが、

私は、あの時代。


2005年ごろの。


岸洋佑も和田雅成もぱるるもいない芸能界に戻りたくない。


そんなわけで、続く。


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