インフレ率がめっちゃ高いのに敵が強すぎる件

Leiren Storathijs

プロローグ

 俺の名前は無限むげん たける

 俺は、何処にでもいるような極普通のサラリーマン。と言っても今日が入社初日だ。高卒で、就職を始め、一人暮らしをする為にお金を稼ぐ目的で入社した。


 初日だから今日は仕事の説明だけで、特にこれと言った社会人の辛さは分からなかった。

 俺は今日は口笛を吹きながら歩きスマホをしながら家に帰る。

 すると突然俺の耳を劈く程のエンジン音が響く。


「ぐおおおぉ! うるせえええぇ!!」


 これから社会人として働き、ウキウキワクワクの仕事が始まるというのに。真上を向くと俺に向かって戦闘機が落下してきていた。


「うわあああああ!!!」


 咄嗟にその場から逃げようとするが、墜落してくる戦闘機は音速を超えており、逃げようと一歩踏み出した瞬間、俺の視界は暗転する。


 そうしてハッと目を覚ます。死んだと確信してから目が覚めるまでの体感時間は三秒。

 気がつくと上下左右真っ白な場所にいた。天国かな?

 次に瞬きをすると、目の前に金髪のチャラついた青年がいた。


「ビンゴ〜! ふぅううう。お前、やるねぇ〜」

「は?」


 あまりのテンションの高さについてこれず、指差された事に素っ頓狂な声が思わず出る。


「だーかーらー。俺の必殺、戦闘機墜落事故に丁度お前が巻き込まれた訳。勿論それ以外の周囲にいた歩行人は奇跡的に生きてるぜ?」

「え、いや、えぇ? てかお前誰?」

「質問は面倒だから流してぇ。さっそく異世界行ってこーい! bye-bye!」

「いや、待て待て待て! は!? えぇ!? ちょ、何!? 説明しろおおぉぉ……」


 青年は俺の混乱を置いて、問答無用に何処へすっ飛ばした。


──────────────────


 俺はまたハッと目を覚ます。すっ飛ばされてから目を覚ますまで体感時間は五秒。


 あたりを見回すと、見渡す限りの地平線と草原だった。自分の体を見ると、会社の帰りのスーツ姿のままで、ついで鞄も持ったままだった。


「俺って……死んだんだよな? いや、殺された?」

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