物語を作ろう! アハッ!

渋谷かな

第1話 剣2

「すごい!? 剣1で全く話が進まなかった!?」

「どうだ? 私はすごいだろう! ワッハッハー!」

「褒めていません。」

「アハッ!」

 こんな作家さんと編集くんの物語。

「剣1と剣10。でも剣10でも剣20とか魔王には敵わない。簡単に殺されてしまうと。」

「ドラゴンボールのスカウターじゃないですけど、剣レベル1とかがあると分かりやすいですね。」

「でも999999999999とかに将来はなって、インフレでおしまいだ。それがドラゴンボールだ。」

「ということは、戦闘力ではなく、一定の剣の技術の数字ですね。柔道の黒帯みたいな。」

「そうだな。剣1は剣士見習いだな。剣10で神級。こういうのも最初に決めておけばいいんだろうけど面倒臭いのよね。」

「さすが先生です!」

「褒められちゃった。アハッ!」

「誰も褒めてない。」

 仲良しの作家さんと編集くん。


「剣2は剣士でいいや。」

「少しずつ物語の設定が決まって行きますね。」

 作家さんと編集くんは少しづつでも前に進んで行く。

「主人公の名前は何だろう?」

「検索目当てでジャスティン・ビーバーにあやかって、ジャスティンにしましょう。日本語ならなんだ? 鈴木一郎にしとくか。月野うさぎ? 夢月幻? 夢花幻? 夢花ファントム? 夢花マジック? 夢の花マジック・ファントム? ああ~!?」

 突然苦しみだす作家さん。

「直ぐに語呂のいいものを考えてしまう!?」

「職業病ですね。精神が崩壊している証拠ですね。」

 作家さんの病気は、仕事上、響きの良い語呂を考えないといけない職業であった。

「疲れるわ・・・・・・寿命が縮む・・・・・・。」

 カラータイマが鳴り響いている作家さん。


「全然、剣1から進まない!? ギャアアアアアアー!?」

「断末魔の叫び声ですね。」

 作家さん危うし。

「剣1というのは、職業や職業レベルであって、物語ではない。」

「そうですね。剣1の夢と希望の物語を考えましょう。」

 やっと物語を作り始める作家さん。

「16才の男か女。それが基本です。さらに6才の男か女の兄弟がいる。」

「定番ですね。」

 もう物語の定番事例が多すぎる。

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