怪異師伝奇

荒巻一

第1話 プロローグ

 西暦二〇一九年。

 時は平成から移り変わる一ヶ月前。

 日本の生活に大きな変化は無かったが唯一の大きな出来事と言えば、今までずっと男系天皇しか認めていなかった政治家たちが女系天皇を認めたということだ。

 二〇一九年をもって男系天皇は途絶えることが確定した。

 もう一つ。この物語を語る上で欠かせないのが、妖怪の存在である。

 妖怪や幽霊、UMAは、昭和時代〜平成時代にかけて一世を風靡した。これらを題材としたアニメや映画、特集などは、非科学的なものでありながら、不可思議な現象として人々を魅了していた。

 日本では不可思議な現象を起こす存在を妖怪や幽霊の仕業として認知されたのは平安時代初期になる。

 

 しかし時は二十一世紀。

 妖怪や幽霊の存在を信じる者は、ある一部の人間しかおらず、非科学的な姿形の見えない存在を信じる者は馬鹿にされる対象にあった。

 妖怪や幽霊と戦ってきた偉人たちは数多いが、それらの歴史は民間伝承であり、作り話であり、妄想虚言から生まれたものとされ、信じる者などいるはずがなかった。

 こうして妖怪や幽霊という存在は、人々から忘れさられ、廃れてしまった。

 

 だが妖怪や幽霊は実在する。

 彼らは妖怪や幽霊と戦い続け、あやかしから日本を救ってきた。しかし、その事実は歴史の史実に残ることなかった。

 人知を超えた力を持つ術師の彼らをと呼ぶ。


 これは千年以上の時を経て、怪異師とあやかしが再び血と肉を削り合う地獄の物語である。

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