めんどくさい
だるま
第1話 処理
「ミンチになった死体。首がない死体。腐った死体。
世の中には沢山の死体がある。それを廃棄するのが俺の仕事だ。
死体を廃棄するのはリスクが高い。それでも俺がこの仕事をやるのは理由がある。もちろん給料が高いからという理由もある。だが一番の理由は死体を見るのが好きだからだ。
死体はいい。何をしても怒らない。死体を眺めているだけで日頃のストレスから開放される。
だが最近死体処理の依頼が確実に減っている。だから俺は自分で殺すことにした。
これがなかなか楽しいもんで、癖になっちまった。
あれから毎日人を殺ってる。それでもなんとか今までは1日1人で我慢できてた。
だが、ある時タガが外れちまったようで、気がついたらバスの乗客を全員殺してた。
そのときゃさすがの俺も焦ったね。
ほんで、そのまま死体を処理出来ずに、ここにいるってわけ。いやあ、死体を処理業者が死体を処理出来なきゃ訳ないでしょ。
これは、懲役けっこう行っちゃうんじゃない?死刑?まあどうでもいいや。どうせ死刑じゃなくでも自殺するつもりだし。
え?なんで自殺するかって?なんかさぁ、もうめんどくさくなったんだよねえ。何もかも。え?死んだらだめだって?いやあ、もう決めたことなんだ。何も言わないでくれ。」
「あのおじいさんまたあの電柱に向かって話しかけてるわ。」
「もういい加減にしてほしいわよねえ。あの電柱が倒れてきて家族が亡くなったからって、ここまで毎日来るともう流石に嫌んなっちゃうわ」
「え?死ぬ前に一緒に飯でも食わないかって?一回だけなら行ってやるよ。」
おじいさんは、死ぬまでこうして喋り続けるだろう。
めんどくさい だるま @sanufute
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