まさかの援軍
「アドミラさん!?どうしてここに!」
「通信機を渡されていたのだ。極秘でこの船に潜んでいた」
アドミラはリュクレーヌが持っていたものと同じ通信機をもち、淡々と説明する。
すると、リュクレーヌは笑いながら、シャツの内側に付けていた、黒い発信器を見せた。
つまり、アドミラの持っていた通信機はリュクレーヌの居場所を通信機は受信していた、それでこの場へとたどり着くことが出来たのだった。
「何人いようと同じだ」
マスカは応戦する気満々だ。
「いいのか?ここに居るのは優秀な不死身の探偵と、最強の助手と、ガーディアンの司令だぜ?」
「関係ない!」
三対三百の戦闘が始まる。
「ふんっ」
初めて参戦するアドミラはマスカ達を圧倒した。
流石は司令。
アマラ軍最強と言ったところか三百居たはずのマスカの兵は一撃で粉砕される。
「えっ、アドミラさん、強っ!?」
「わー、流石は……俺出る幕ねぇじゃん」
リュクレーヌが不貞腐れる様に頬を膨らませる。
戦況は完全にリュクレーヌ達の有利で進んだ。
「あとは、貴方だけです。マリノスさん!」
残されたのは、全てを取り仕切っていた船長、マリノスのマスカだけとなった。
フランが、マスケット銃の銃口を突き付けて言う。
突き付けられたのは、一本だけではない百本ほどの銃口が彼を取り囲んだ。
まるで、先ほどリュクレーヌ達を取り囲んだマスカのように。
「う……う、わたしは、負けるわけに、いかない!」
「……貴方の事、哀れだとおもいますよ」
慈悲を帯びた瞳でフランは言う
「私が?哀れ?何故?」
「貴方は自分の人生を自分で決める事が出来なかった。常に、誰かに支配されて生きてきた」
そう、マリノスは意思を持つことを赦されなかった人間だ。
それ故に壊れてしまった。
「そうなってしまったのは、貴方の置かれた環境も悪かった……だから」
フランは引き金を引いた。
弾丸が、マリノスを貫く。
そして
「うっ!?」
乖離した彼を取り囲んでいたマスケット銃が一斉に放たれた。
もしも、彼の生まれた場所が、就いた職が、全て違ったならば
「今度は間違えないように、自分の意思を持たせてくれる環境に、身を置けますように」
マリノスのように、壊れた操り人形が二度と生まれない世界になれば良い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます