追放されたらいつの間にか最強になり自由を手に入れた

「ちぇっ。なんだよあいつら……、俺が今までどれだけギルドの役に立ったかもわかってないみたいだな。全部自分たちの手柄だと思ってやがる」


 ギルド『栄光の光』を追い出された俺は街道をひたすら歩いていた。


 その時だった。


『LVがUPしました』『LVがUPしました』『LVがUPしました』『LVがUPしました』『LVがUPしました』『LVがUPしました』『LVがUPしました』『LVがUPしました』『LVがUPしました』『LVがUPしました』『LVがUPしました』『LVがUPしました』『LVがUPしました』『LVがUPしました』『LVがUPしました』『LVがUPしました』『LVがUPしました』『LVがUPしました』


 どこからともかく、壊れたように同じセリフを繰り返したような声が聞こえてくる。神の声とでもいうやつか。


「これはLVUPの時の音声……そうか」


 その声はしばらく鳴りやまなかった。


「俺のポイントギフターは経験値をいわば貸し与えるものだ。その貸し与えていた経験値が戻ってきたのか」


 俺はステータスを確認する。


「にしても、随分とギルドでスキルを使ってきたけどどのくらい戻ってくるのか。こんなに!? なんだ!! このステータスは!! こんなステータス見たことがないぞっ!」

 

 俺のレベルは今まで1だった。だが、今のレベルは驚くほどに高いものであった。


 レベル170!? 見たこともない数字だぞ……

 確か国内最強と言われていた騎士団長でもレベルは100に達してないはずだ。

 ギルド幹部も同じく、二桁後半がいいところ……。


 そもそも

攻撃力:3735

防御力:3450

魔力:3212

体力:3111


こんなステータス数字見たことがない。攻撃力最強だったギルドメンバーでも2000程度だったはずだ。


 そうだ。これがポイントギフターの能力だ。


ポイントギフターは所属する団体の経験値を一度預かり、それを増幅した上で働きに応じて任意に分配する能力がある


この力で俺は幹部陣を優遇しながらギルドを大きくしていった。


だが、ポイントギフターの影響下から離れると、それぞれが自分で溜めた経験値分しか能力がない状態に戻り、また増幅分は全て、俺に戻ってくる。


 今まで『栄光の光』の連中に貸し与えていた経験値が俺の元に帰ってきた、というわけだった。


 俺は返ってきた経験値のおかげで思った以上に強くなった。


「よし!」


 ブラックな労働環境を抜け出し、逆に将来の展望に希望が持てるようになった。

 色々な明るい考えが思いつくにようなってきた。

 

これだけのステータスがあれば、騎士団に入ってもすぐにエースになれる、騎士団はギルドで働くより安定していて憧れる人も多い仕事だ。


いやギルドでエースをはったほうが稼ぎはいいかもしれない、これだけの力があればどんなギルドでも……それにもう一度ポイントギフターとしてギルドの裏方に回るのも、別に嫌いなわけじゃない。


なんだったら自分でギルドを作ってしまえば……?


いやでも、どうせいつでもなんでも出来るのなら、もっとこう……まえからやってみたかったことを全部やってからでもいいかもしれない。


食べたことないものを食べて、見たことない景色を見て、自由に寝て自由に起きて! そんな生活をしよう!


そして叶えたい夢や希望をひとつずつ叶えていく事にした。


「1つ目の夢は……そうだな。ドラゴンの肉を食べてみたい! これだっ!」


 一度でいいからレアモンスターであるドラゴンの肉を食べてみたいと思っていた。強力なモンスターであるドラゴンが相手でも、経験値が帰ってきて桁違いのレベルになった俺ならきっと勝てるはずだ!


 俺はまずドラゴンの出没情報を集めるために王都に向かう事にした。






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