第39話 ソニア
下に行くとこの前のおねえさん達がいた。
「もう、ユリアったら遅いぞ。いくら愛しのフォルクス君が帰ってきたとはいえ待たせ過ぎだぞ!」
「うん。ごめんごめん。フォル君の女にしてって告白してたから」
「えっ?」
「冗談ですよ、冗談に決まっでますよね!妹さんの話をされていて、込み入った話になりそうなので、下に行ってからって話になったんですよ。ユリアさんもそんな戯言を言って皆をからかわないように!」
「フォル君、私、本気なのよ。その前にソニアの話をしなければいけないよね。」
ユリアの焦点が合っていなく、焦燥感を感じ取れた。ギルトではフォルクスに会えた安心か、気が張っているのかすこし落ち着きがない位で異変を感じなかった。
フォルクスはユリアの言葉を理解しきれなかったので、聞かなかった事にした。あまりの急な話に思考が追いつかなかったのだ。皆に席に座るように促し、席に座るとユリアが妹の話をしてきた。
「妹はね、今は14歳で間もなく15歳になるの。魔法学校の二次試験に進めなくて、その、一族の恥晒しとして性奴隷として売られるの。魔法学校に入学できなかったらそうなるの。例年の試験なら問題なかったのだけれども、試験方法が変わってしまって、あの子は落ちてしまったの。弁当を食べきれなくて。フォル君達が出発した直後に相談に来たの。あの日はショックで言えなかったって。私は監督責任を問われ、里から来る誰かの子を身篭らせられるの。ううう」
「今はどうしているんですか?」
「ソニアはこの宿に泊まらせているの。でこの子よ」
「あんた、私の隣りにいたよね?まさかあんたが、落ちたの?」
「それって、4位って事だよな?それに君の所の弁当は2つも買ったぞ。何があった?誰のチームが脱落したかまでは気にしてなかったな」
「あいつしかいなかったの。早々に女の子4人をなかまにしていて、私はあぶれていて、そこに入れてもらうしかなかったの。フォルクスさん達の所に頼みに行こうとしたら既に遅かったの。私やだよ、性奴隷になんかなりたくないよ。姉さんも私のせいで誰かの子を孕まなきゃなんて嫌だ。誰か助けて」
フォルクスはソニアに見覚えが有った。ユリアになんか似てるなー位にしか見ていなかった。ユリアに似ているがユリアを少し丸顔にして、更に少し幼くした感じだ。ただかなりの美少女の為にあと数年すればかなりの美女になるというのは何となく分かる。スタイルは少し控えめだとは言っても、胸は大き過ぎず小さ過ぎず、程良い上品な大きさだ。あくまでフォルクスの好みでのサイズである。髪は肩で切り揃えられている。ただユリアと並んでいるとソニアは姉妹なんだなぁと分かる程よく似ている。また、2年後ならこの2人を巡り戦争が起こっても不思議ではない感じだ。
「フォルクス、彼女を助けてあげられない?毎日おっぱいを触らせてあげるから。あんたおっぱい好きよね?」
「シーラがそんなふうにしてまで頼んでくるなんて、ソニアさんの事を気に入ったのかい?確かにあの魔法展示の待ち時間に仲良くしていたようだけど。そうだな、助けるのは問題ないが、別に誰かのおっぱいを触らる報酬が無くてもやるし、誤解を招くから変な事を言わない!ほら、ユリアさんが引いているじゃないか」
「問題ないって?」
「確か魔法での個人1位の者には従者を付けて貰えるって聞いてるぞ。従者に指定できるのは当年の一次試験の突破者であり、異性で有る以外は条件は無くて、従者も希望して実費を払えば生徒になれるんだったよな?僕の従者扱いなら問題ない筈だよね?卒業の時の成績はランク外になってしまう筈だけど、ひょっとしてそれだと問題があった?」
「宜しいのですか?卒業さえ出来れば問題は有りませんし、その、フォルクスさんになら抱かれても本望ですよ!姉共々」
「ちょっと待って?どう言う事?」
「知らないのですか?従者とは名ばかりで、実質は奴隷なんです。だから、大抵は夜のお勤めの相手を指定し、そうさせています。だから、ソニアを手篭めにしても誰も咎めませんし、もしめでたく身籠れば強者の母子として国から手厚く保護をされます」
「ふう、分かった。分かった。この世界はどうかしているとしかいえないよな。はあ。ソニアさん、安心して下さい。手篭めになんかしませんから。ちゃんと仲間として迎え入れます。もし、ソニアさんを愛でるとしたら、お互いを尊敬し、愛していると感じだ時にですよ。ほら、僕って個人ランク1位でしょ!大丈夫だから泣かないで。ねっ、大丈夫だから。シーラから頼まれたし、例え頼まれなくても無償で助けるから。誰を従者にすれば良いか悩んでいたから丁度良いんですよ。上手く立ち回り格好良いところを見せますから、絶対に二次試験を見に来てくださいね」
「ありがとうフォル君。ソニアは私のサポートとして連れて行くわ。良かった!これで嫌いな奴に犯され、望まない子を身篭らなくても良いのね!大好き!先程伝えた通りに私の全てを貴方に捧げます。」
「ユリアさん、そんな大袈裟な。まだ僕自身が合格していないんですよ。まあ、多分というか絶対に大丈夫だけど。えっとユリアさん、顔を上げてください。貴女に泣き顔は似合いませんよ。聡明でにこやかないつもの僕のユリアさんに戻って下さい。ユリアさん自身を僕に捧げなくても大丈夫だから。今はパニックになっていて変な事を言ってるだけでしょうから、まずは落ち着こうね」
「あのー、フォルクスさん、エルフはそんな簡単な種族じゃないんですよ。ユリアさんの魂に自ら刻んでしまっていますから。私はユリアさんを受け入れますわ」
「ソニアを助けてってお願いしたのは私なんだから、仕方がないのよ。私もユリアさんを受け入れます」
ラティスもリズも頷いた。
フォルクスはユリアが全てを捧げる事を否定したが、ユリアが私に魅力が無くて受け入れられないんだと泣いてしまった
「分かったから、分かったから落ち着こうね」
「じゃあ、エルフの誓いを受け入れてくれるんですね?」
「分かったから。ユリアさんも僕の大事な女性にすれば元気になりますか?」
「はい!フォルクス様のユリアです。ついでに妹も貰って下さい」
「もう、この話はこれまで。続きは試験の後でね。ソニアさんも困るでしょう!それに何はともあれ、全ては試験が終わって合格してからの話ですよ」
フォルクスはうっとりと見詰めるソニアとユリアの視線に気が付かなかった。今は一旦思わぬ話になったこの状況から逃げたかったから、適当にあしらったつもりだった。あくまでつもりである。
お腹がかなり減っていた。更に旅から帰ってきたばかりの為、疲れていたのもあり、出された食事をすぐに食べ、フォルクス達は早々に切り上げ部屋に引き上げたのだった。だがしかし、人はそれを逃げたと言い、事態を更にややこしくするだけにしかならないのだが、フォルクスは乗り切った!と、何とかなった!と思い込んでいたのであった。
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