想日出
海星
第1話
桜の花が散り始める頃、私は中学三年生になった。
来年には高校生になる為の受験が控えている。
まして、行きたい高校ややりたい事もない私にとっては進路を決めなければならないと言うプレッシャーもあり、例年のように進級することへのわくわくはなかった。
私は、クラス替えで一喜一憂する生徒たちを疎ましく思いながら、昇降口に張り出されたクラス名簿で自分の名前を探す。
自分の名前を見つけたのは全四クラスある百合ヶ崎中学校の四クラス目だった。
ついでに、これから一年間ともに学ぶクラスメート達をチェックしていく。すると、一つの名前が私の目に留まり心臓がどくんと高鳴った
小学生の頃、最も仲の良かった親友だ。
しかし、中学に進学してクラスも違くなると交流は途端に途絶えた。
いまでは、廊下ですら違うときに挨拶を交わす程度になっていた。
そんな咲良と同じクラスになる。小学生の時のように仲良くしたいという期待と、もうあの頃の様には戻れないのではと言う不安が入り混じり頭がおかしくなりそうだ。
しかし、進路に対する不安しかなかったことに比べればまだマシかもしれない。
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