私が頼りないのは
私が頼りないのは、確かだったんだろう。
もっと愛してあげればよかった。
こうしてあげればよかった。
そんなことを、考えてしまう。こういう後悔は、大切な人を亡くした者の『あるある』なんだろうけどさ。
そういう諸々の後悔も、
別に、抱き合って寝るとかじゃないけど、彼女の気配があるだけで、不安が和らぐのは、確かなんだ。
二人揃ってパンイチの、女としては『終わってる』姿でも、もう他の誰に見せるでもない格好だし、一番寛げるから。
そう。寛げるからストレスも和らげられる。彼を亡くした辛さにも耐えられる。
かっちりとロボットのように自分を律することで耐えられるタイプの人もいるんだろうけど、正直言って私には無理。これは人によって違うと思う。同じように辛さに耐えてる人はたくさんいても、その耐え方は人それぞれだろうから、自分の耐え方を押し付けてくる人は勘弁。他人の耐え方に口出しする人は勘弁。ストレスをかけるだけだってなんで分かんないんだろうね。
それとも、他人にわざとストレスをかけることで自分のストレス解消に利用してるとか?
最低だね。最低だよ。人として。
ダンナも
だから私達は、家族になれた。自分のストレスを他人に押し付けるような真似をしない人間同士だったから。
他人にストレスを押し付けることでしかストレス解消できない人がどうなろうと私は知らない。関心もない。
私達は私達で、耐えていく。乗り越えていく。
すうすうと穏やかな
目が覚めたらまた仕事だ……
そうして朝を迎える。けっして<爽快>とは言えない朝。
保育士の私はさすがにそうはいかないけどね。
私の勤め先の保育所も、定員オーバーの状態で運営されてて、正直、人手が足りてなかったりもする。それでいて、少し熱があるだけでも出勤できなくなるから大変だ。
まあ、その場合は、下手をすると保育園ごと休みになったりする可能性もあるけどね。診断によっては。
私も、まず検温する。保育所からそう指導されてるんだ。面倒だけど、このご時勢、文句も言ってられないし。それに、私達は子供を相手にする仕事だから。大人がルールを守らなきゃ、子供に偉そうに言えないよ。
「三十六.三度。よし、平熱。咳、鼻水、喉の痛み、頭痛、倦怠感、なし」
記録用紙に結果を記載して、私は着替えたのだった。
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