第2話 井戸端会議
ヴゥー!ヴゥー!
『今日の下着の色は何色?』
『こんにちは!遊ばない?』
『写メ可愛いね^^』
『暇?』
リリム宛に送られた沢山のメール。
『…フッ。気持悪りぃ』
素魔法(スマホ)を見下す様に見るリリム。左手に素魔法(スマホ)右手はポケットに入れ向かい風にぶつかる様にお店を目指し歩いていた。
道の真ん中を歩いていると
『……公園のトイレでねぇ。嫌ぁよね~』
『そうよね~何でも最近は女性が誘ってヤるのが流行りらしいわ』
『やだっ。気持ち悪い』
公園からクソみたいな声が漏れて聞こえてくる。
私は素魔法(スマホ)をポケットに入れ、ポケットから手を出し、足音を強くしながら早足で公園を素通りしようとした。
公園に差しかかった所
『あらっ!リリムちゃん!』
『こんにちは。お元気ぃ~?』
『こんにちは。お久しぶりね』
…案の定捕まってしまった。
『あっどうも~。こんにちは。』
軽く会釈し棒読みみたいなトーンで返す。
『ちょっと!リリムちゃん聞いたわよ!』
…一瞬ムカッとした。
『合格したんだってねぇ?また素魔法(スマホ)検定!』
あっそっちか…。
『あぁ、そうですね。はい』
それを聞いた猿、豚、河童に似た三人組はキャッキャッしながら
『素魔法(スマホ)、アップデートしてもらえるんでしょ?いいわね』
『いいお嬢ちゃんよねぇ~。将来有望じゃないのぉ』
リリムは
『はぁ、ありがとうございます』
豚
『いつアップデートしに行くのぉ?期限あるんでしょ?』
猿
『あたしは一番下の10級が限界。リリムちゃん凄いよね!受験料は高かった?』
河童
『やっぱり難しかったの?』
リリム
『そうですね』
『はい』
暫く質問攻めに対して二つ返事で時々作り笑いを交えながら答えていた。
リリムは素魔法(スマホ)を取り出し画面を少し見た後
『時間が時間なので。お使い頼まれてるので。それじゃこの辺で』
歩き出しと同時に軽く会釈した。
『あらぁ!ごめんなさいねぇ』
『また、お話しようね!リリムちゃん』
『そう、さようなら』
公園を背に向け見える見えないかになるとリリムは
『はぁぁあ~~!』
再び素魔法(スマホ)を取り出し右手をポケットに入れ道路の端に顔を向け唾を吐きお店へと向かう。
風はいつの間にか追い風になっていた。
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