第3話
「おお、巫女様がお目覚めになられた」
「おお、巫女様。なんと神々しい」
目覚めたばかりの私には目の前の光景の意味がさっぱり分からなかった。
「………何コレ」
『おお、喋りおった。記憶定着は問題なさそうじゃな。アーシャ気分はどうじゃ』
「うん?問題は無さそう……いや、目の前の光景が問題だらけだよね。ハルナさん」
『うむ?何か問題あるのかのう?』
「なんで皆、私に向かって跪いてるの?」
『ふむ。アーシャはこの星の創造主の巫女だからのう。当然じゃろうて』
「いや、どういう事?」
『ふむ。何処から説明すればよいかのう?まあ、この星に有機生命体の団体がこの前、堕ちてきたんじゃよ。
でな、経過観察しておったのじゃがしばらくして偉い増えてのう、互いに争い始めて資源を食い荒らし始めたのじゃ。
なので、間引く次いでに統制を引こうと思ってじゃな、アーシャの改造もやり尽くした間もあったしのう、自我の無いアーシャを使って神罰ぽく奴らを凹ましたわけじゃ。したらば何やらアーシャを祭り上げる輩が増えてのう。今に至る訳じゃ』
「ごめん。大分聞き捨てならないこと言われた気がするけど、肝心の処が端折られ過ぎてるのに頭が追いつかないわ。つか何で私の身体こんなに光ってんの!」
『それはあれじゃな。光子力フィールドじゃな。アーシャの身体を改造しすぎて有機生命体では維持出来なくなってしまってのう。お陰で成長プログラムを進化プログラムに書き換えなければならなかったんじゃ。全く苦労したわい』
「何で勝手に改造とかしてんの!?」
『何故と言われてものう。今の有機生命体ではテロメアが数千年も保たんかったんじゃ。しかたがなかったんじゃよ』
「うっ。そうなんだ……数千年?」
『そうじゃ。アーシャと友誼を深めてから約8000年程経っておる』
「嘘。じゃあパパとママは…」
『アーシャ達の墓はそこに在る』
「そ、そんなパパ、ママ」
涙を流すアーシャ。
「おいたわしや巫女様」と、そんなアーシャを見て一緒に泣く信者達。
しくしくメソメソと暗い雰囲気になっている。
しばらくしてアーシャは涙を拭い顔を上げ墓に刻まれている名前を見て首を傾げる。
「?」
墓にはパパ、ママ、アーシャの墓と刻まれている。
「何で私の名前もあるの?後、パパとママの名前はパパとママじゃない」
『ん?おお、そうじゃったか?しかし吾輩はアーシャしか名を知らんからのう。いや、ハルナと言う名も知っておるのう。ふははは…さて、アーシャこれから主はどうする?』
「どうって?」
『今までは吾輩がアーシャを遠隔操作しておった。しかし記憶が定着したのならば、アーシャはアーシャの意思でこれからの人生を歩む事が出来る。まあ、思う様に過ごせば良いということじゃが』
「あー。なるほど。そうだね。ちょと考えるよ……でもその前に自分の部屋とかに行きたいかな?」
『此処がそうじゃが?』
「私のプライバシーは!」
『だそうじゃ。お前達出て行くが良い』
「そんな!巫女様!」
「我々をお見捨てになられるのですか!」
「巫女様どうか私達にお慈悲を!」
「巫女様!」
「お世話ならば我らが!」
「どうか巫女様!」
「あー!うっさい!1人で考えたいのよ!」
それを聞いて渋々と出ていく信者達。
「はあ、どうしてこうなった」
大きく溜息を吐きアーシャは独りごちるのであった。
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