2.世界の始まりと父と母
遥かなる昔、この世界は剣と魔法と魔物の世界でした。
きっかけはある国が禁術を使用したことから始まりました。
『異世界召喚』
異なる世界から異世界の人を召喚する召喚術、一番の問題は凄まじい力を得て強力な
スキルを授かり一騎当千の駒を手に入れることが出来ます。
しかも召喚した人数が31人、そうこの召喚はとある県立高校の1年生のクラス丸々
召喚してしまいました。
当時召喚を命じた王は生徒たちに
「力をつけよ、お前たちが魔王を倒せば元の世界に帰れるかもしれない。
それまで私達はお前たちを鍛えあげよう。」
とそそのかし、山奥の施設に軟禁させある程度力をつけさせてから『隷属の首輪』
という付けた相手を自在に操れる魔道具を用いて生徒たちを最強の軍にして世界を
支配しようと目論んでいました。
しかし、召喚された高校生達は転生モノのラノベも愛読している者達が多く
この先の展開は読めたために最悪の自体になる前に拘束されていた施設から
幾つかのグループに別れて脱出し、なんとかその国から逃亡しました。
その後、逃亡先の他国に保護されたあるグループが様々な人脈と力を付けてその国を
滅ぼしてしまいます、その国で研究されていた召喚術を元に世界に還る方法を
見つけたのですが半数の生徒は元の世界に還りましたがこの世界に大事な人や
愛する者が出来てしまった者たちはこの世界に残ることにしました。
転移者たちはこの世界を変えようと自分の歩む道を進むために各地に散らばります。
やがてある者は冒険者となり世界を冒険しつくのちにバラバラだったギルドを
統一させ冒険者組合『冒険者ギルド』を立ち上げました。
研究が好きだったある者はこの世界の特有の力、スキルもしくは魔法を徹底的に
解析・研究しつつ同じ志を持った学者達と共に世界研究機関『アカデミー』を創設
しあらかたの事象を解明しました。
冒険者として各地に散らばった転移者のうちに強大な悪を倒すために特化した
『勇者』と後に呼ばれる者も現れ悪しき者を滅ぼした後、荒れたその地に留まり
民衆の先頭に立って王となりその地を治めた者もいます。
俗に言う『始まりの勇者達』これが約千年前の出来事だそうです。
こんにちは、クロードです。
実はうちは勇者の血を引く一族であります、初代ヴィルヘルムは元の名を田中隆
(たなかたかし)という前世でいうとありきたりな名前の持ち主でした。
この地を支配していた、吸血鬼の魔王を倒し国を興します。
勇者田中ではなく仲間の戦士と魔法使いが。
当時田中君は人々にこの地の王となってくれと人々から懇願されましたが、元々
引きこもりのヲタクさんであったため目立つ事が苦手でした、王様なんてやったら
ストレスでハゲるとダダをこね、妥協案で貴族としてこの国に仕えるという形に
収まります。先祖超かっこ悪い…。
この世界出身の戦士はある国の貴族の三男でしたが渋々承諾し、
恋仲であった幼馴染の魔法使いと結婚しこの地を治めました。
代わりに勇者はこの地に魔王もしくはそれに値する害ある者を討伐するため、
勇爵という貴族の称号を贈られこの地を守り続けています。
という訳で実はうち貴族なんです。
まあ順位としては男爵と同じ位置なので家格は貴族社会では
それほど高くはありませんがね。
現在昼食を家族で頂いていますが上席に座っているのが999代勇者、うちの父上
「マルクス・ヴィルヘルム」です。
年齢は今年40歳、趣味は数時間のトレーニングや奥さんとデートなイケオジで
ございます。
勇者と言うと昔から人々の希望的な立ち位置ですが、実際の所平時では領主の
仕事しかないので基本トレーニングしかしていませんが。
勇者のスキルはほとんどが戦闘系、しかも呪われたように戦闘以外は不器用になります。
まぁ普段の生活はちょっとドジするおじさん程度の被害ですがね。
その隣の席でニコニコといつもごきげんな母上は勇者パーティを支えた聖女だったりします。
ヘルミーネ・ヴィルヘルム 年齢ひ・み・つ♡ スリーサイズ ぼいん、キュッ、安産型の美魔女です。
父上とは幼いときからの幼馴染兼婚約者、10歳の時に神託がおり聖女スキルを
授かりました。得意な魔法は光と闇系統の魔法、通常聖女は闇の魔法は使えませんが
祖父の方の血筋に闇魔法を極めた魔族の血が入っており先祖帰りということで
肌が人より黒めです。褐色系美人さんです。
俗に言う母上は事実上この家のトップであり父上を尻に敷いてはいますがこいつら新婚
かよという程アツアツです。一緒にいる時間は常にイチャコラしているので息子として
見ていられません、頼むから少しは自重してください…。
という訳で現在進行形で父上と母上のイチャイチャランチタイムを見ながら兄妹一同
焼きそばを食べています。
さて今日はこの後どうしようか?畑の仕事も終わったので午後からは予定がありません。
そうだ、たまには運動でもしようかな?
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