#753
サーベイランスはトライアングル、サードヴァー、シヴィル三人の少女のことを知っていた。
それは、彼がまだバイオニクス共和国で国を管理するためのシステムだったときに、フォクシーレディと共にいた三人の姿を見ていたからだ。
当然彼女たちの名前も、その容姿ではあり得ない、戦闘用ドローンを倒せる力があることも知っている。
「こ、こいつはとんでもない奴らに見つかってしまった……」
つい口から言葉がこぼれてしまったサーベイランス。
トライアングルはそんなサーベイランスを見て、目の前にいる機械人形が何者なのかに気が付く。
「あッ! この子、サーベイランス……サーベイランス·ゴートだよッ! なんかネットの動画で見たけど、ホントにちっちゃくなっちゃったんだね」
「サーベイランスって、あの共和国のサーベイランス? なんだぁ。あたしはてっきりオモチャが箱を飛び出したと思ったのに……」
「シヴィルもぉ……」
トライアングルがサーベイランスの正体に気が付くと、サードヴァーががっかりして、シヴィルも彼女と同じように肩を落としていた。
サーベイランスはそんな三人の少女を見て考える。
この三人からどうやって逃げるか。
戦うは無理だ。
今のこの身体には戦闘機能はない。
無理を承知で戦闘するのなら、この機械の身体の心臓――。
自然からのエネルギー技術を用いた永久発電機関――ルーザーリアクターを使えるのだが。
この
ここは逃げるのが最善の策。
サーベイランスはそう瞬時に判断し、この場から逃げようとしたが、トライアングルたちが部屋の外から何かを引きずって中へと放り投げた。
「お前たちッ!?」
トライアングルたちが放り投げたのは人間だった。
しかもそれは、すでに脱出したはずのヘルキャットとアリアだ。
サードヴァーがサーベイランスに言う。
「探検してたら見つけたんだよ。わたしたちを見て逃げ出そうとしたから捕まえたんだ」
放り投げられたヘルキャットとアリアは、拘束されているわけではないが、その身体は傷だらけで気を失っているようだった。
おそらく少女たちに痛めつけられたのだろうと推測できる二人を見て、サーベイランスは逃げることを
「サードヴァーにいわれて探検してみたけど。やったね、黙って入って来た悪い二人を見つけちゃったよ!」
「シヴィルもそう思う!」
トライアングルがそう言い、シヴィルが同意している。
うぐぐと身を震わせているサーベイランス。
トライアングル、サードヴァー、シヴィルの三人は、そんな機械人形を見て笑う。
「さあサードヴァーにシヴィル! 次はこのサーベイランス·ゴートを捕まえるよ!」
「やろうやろう! 早く捕まえちゃおう!」
「シヴィルもそう思う!」
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