#695
ライティングたちオルタナティブ·オーダーが
ジャズたちはオルゴー王国へと向かっていた。
何故彼女たちがオルゴー王国に向かっているかというと、かつての仲間であるソウルミューがそこにいると知ったからだ。
ブライダルとサーベイランスが、エレクトロハーモニー社のラムズヘッドと話している間に、ジャズがライティングの使いの者から彼の居場所を聞き、彼女は迷わず行くことに決める。
「まったく、たかが男一人のために……」
「そう文句言うなって、ソウルミューのクソ兄貴はそれなりに役に立つ男だよ」
ラムズヘッドからもらった四輪駆動――ジープの後部座席でブツブツと呟いているサーベイランスに、助手席にいるブライダルがいつまでもふて腐れるなと声をかけた。
サーベイランスはソウルミューに会いに行くのに反対した。
今は仲間を見つけることよりも、エレクトロハーモニー社の製造工場へ行こうと彼は提案したのだ。
だがジャズはもちろんのこと、今回はブライダルもソウルミューのところへ行きたがったの、結局サーベイランスが折れることになる。
「そうそう、ソウルミューは一見ちょっと残念な感じの人だけど、機転が利くし。それに、ブライダルの話だと元エレクトロハーモニー社のスタッフだったみたいだから、あんたの知りたがってることの役に立つかもよ」
「それを聞かなかったら、こうやってお前たちを向かわせていない」
三本指の両手を組んでムスッとしているサーベイランス。
そんな機械人形の隣にいるニコが「そう不機嫌そうにするなよと」言いたそうに鳴いている。
「まあ、正直私はクソ兄貴はどうでもいいんだけど、あいつが無事だとリズムが喜ぶだろうからね~」
「あんたってさ。なんかリズムのことになるとキャラ変わるよね」
「いやいや姉さんは知らないのさ。あの子、リズムはちょっと普通じゃないんだよ」
「普通じゃない? なんで? しっかりした良い子だと思うけど?」
「特別ってことだよ~二ヒヒ」
そんな話をしながらジャズたちはオルゴー王国へと到着。
山奥のある高い城壁に囲まれた国の前で車を停め、ライティングからもらった身分の証明のIDを見張りの兵に見せた後、無事に入国。
オルタナティブ·オーダーの関係者ということで、王国内に入ることができた。
ジャズたちはもっと厳しいチェックを受けると思っていたが、意外とすんなり入れたことに拍子抜けしていた。
「このご時世にずいぶんと緩い入国審査だな」
「それだけオルタナティブ·オーダーとの関係が良いってことでしょ。さあ、ソウルミューを捜すよ」
サーベイランスの言葉に、ジャズが気にするなと返事をし、彼女たちはまず聞いていた宿へと車を走らせるのだった。
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