#552
その後、航空機は着陸。
航空機の窓からは傾斜がきつく、さらに耕作単位が狭く、水平に保たれた田が規則的に集積した
「うわ~スゴイ段々畑だね!」
ミックスがその景色を眺めて嬉しそうしていたが、他の者は彼を無視してブロードを中心に話をしていた。
ブロードはまずジャズたちが乗っていた大型航空機を襲ったソウルミュー、ブライダルの素性。
それから、自分の姪であるジャズのことを伝えた。
それから次にジャズが、ミックスのこと、ロウルのこと、メイカのことを順々に説明。
互いにどういった状況でどうしてこの航空機に乗っているのかを話し合った。
「向こうはもうあたしたちがここへ到着したことに気が付いているはず、それを利用しましょう。作戦は簡単よ。触りだけいうなら、イード·レイヴェンスクロフトはこの航空機にあの顔色悪い女が乗って来てると思ってるはず。その隙を突いて捕まったクリーンたちを救出して神具を奪う」
ジャズは考えていた策について皆に話した。
敵はここへやって来たのは、
そこで、油断して近づいてきたところを襲うチームと、その間に捕まった
「チームと編成はあたしが決める。それと、どっちのチームになっても深追いだけはしちゃ駄目だよ。命の危険を感じたら必ず退いて……って、おいブライダルッ! ちゃんと聞いてんのッ!?」
ジャズの作戦説明が退屈なのか、ブライダルはあくびを掻きながら機内の床でゴロゴロと寝転んでいた。
声を張り上げたジャズを見たブライダルは、全く悪びれることなくその顔を彼女へと向ける。
「人がせっかく説明してるのに……どういう神経してんのよッ!?」
「いや、ここにいる人たちが何者かわかったからいいやって思ってさぁ。ふぁ~眠い~」
再びあくびをしたブライダルを見たジャズは、皆のほうを見るとあれは放って置こうと口にする。
すると、ソウルミューが彼女に声をかけた。
「あいつは作戦とか苦手なんだ。大丈夫大丈夫、ああ見えても本番になりゃ役に立つからよ」
「それで、あの寝てるポニーテールの嬢ちゃんは本番で何をしてくれんだ?」
ロウルが話に入って来ると、ブライダルは寝たままの体勢から宙へと飛び上がり、まるで猫のように空中でクルクルと回って着地。
それからロウルに向かって人差し指を向ける。
「本番っていえばアレでしょ! もうここでは書けないようなイヤらしくてけしからん、それでもって誰もが大好きな――」
「あんたはもう喋んなくいいから」
意気込んで話し始めたブライダルを遮り、ジャズはソウルミューのほうを向く。
「ねえ、ソウルミュー先生。あなたのお仲間でしょ? なんてかしてよ。あのお喋り傭兵をさ」
「ソウルミューでいい。んなことよりも作戦のことだが」
「ああ、これから詳細は細かく話すよ。こういうのは陣形や前もって決めた合図とかそういうのが大事だからね」
「おいおい、勘弁してくれよ」
ソウルミューは、ジャズの言葉を聞いて
そして、自分たちは軍隊じゃなんだから自分のやり方を強要するなと彼女に言った。
当然ソウルミューの言葉を聞いたジャズは
誰も押し付けていないし、そんな言い方はなんじゃないかと声を張り上げた。
「ジャズって……やっぱ
そんなジャズを見たミックスは、でもまあこんなものだと、いつもの乾いた笑みを浮かべるのだった。
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