#494
サービスとノピアを嘲笑うサーベイランス。
顔を強張らせて飛んでくる幼女の突進を避けると、彼はそのままタワー内から出て行こうとした。
「さてサービス。お前だけならばこのタワーから脱出可能だろう? だが、この特殊能力を持つ子らを見捨てられるか?」
訊ねられたサービスは、サーベイランスを逃がすまいと、再び突進。
だが、直線的な動きのせいか。
サーベイランスは、まるで赤いものを見て向かってくる闘牛をいなすように簡単に
「いや、できないよな。私を裏切り、人間どもの愛玩具と成り下がった今のお前には」
「サーベイランスゥゥゥッ!!」
叫びながら向かって行くサービスだったが。
変わらず動きが単調なため、サーベイランスに
「かなり怒っているな。だがな、サービス。お前に裏切られた私の怒りのほうが遥かに強いッ!」
そして、バックを取ったサーベイランスはその無防備な背中に向かって両手を組んで振り落とす技――ダブルスレッジハンマー叩き込んだ。
サービスはその一撃で床を突き破るほど吹き飛ばされ、見えなくなるまで落ちていく。
「くッ、サービスッ!?」
「おっと、よそ見してる余裕があるのかノピア·ラッシク? いい加減に機械化したほうがいいんじゃないか?」
「サーベイランス……」
「まあ、何をしようがお前はここで死ぬがな。フハハハッ!」
サーベイランスは高笑いをしながら、アーティフィシャルタワーから飛び去っていく。
残されたノピアは、襲い掛かって来る特殊能力者の子どもたちを振り払うことをできず、タワーから脱出するサーベイランスを見ているしかなかった。
外へと出たサーベイランスは、上空からタワーを眺めながらゆっくりと下降する。
「フフフ、時間だ」
その言葉を吐いた後、アーティフィシャルタワーは爆発。
バイオニクス共和国を象徴する管制塔が一瞬で崩れていく。
「バベルの塔然り。上がりきったものは必ず落ちる。ストリング帝国もコンピュータークロエもそうだった。バイオニクス共和国も同じことだ」
サーベイランスはそう言うと、満足そうに言葉を続ける。
「ここに新しい象徴を建てよう。そう……平和のための、この
サーベイランスは見下ろす。
ゆっくりと上空から地面へと降りていた彼は、二人の人物の姿を見て呟いた。
「さて、次は過去の遺物を引きずる人間を始末するか」
そして、タワーの爆発から逃げていたベクターとラヴヘイトのところへと向かっていった。
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