#454
ノピアとサーベイランスの戦いの衝撃で、会場内に突風が吹き荒れる中――。
ミックスはジャズと共に会場内にいた者たちを外へと誘導していた。
大混乱に陥っていたためか、中には無謀にも機械人形へと飛び掛かり、返り討ちに遭っている者もいたが。
そこは、ライティングとジャガーの見事な連携で何とか救い出している。
「よし、これで最後だね」
「うん、会場にはあとライティングたちだけだよ」
ミックスとジャズが誘導していた者たちをエレベーターへと乗せると、そこへリーディンがやって来る。
そして、リーディングは呆れた様子でジャズに声をかけた。
「あんたもよくあんなムチャな命令聞くね。いきなり全員外へと連れて行けなんてさ。あの状況で死人が出なかったのは奇跡だよ」
「よかった! リーディンも無事だったんだ!」
「喜んでないであんたらもさっさと逃げなさい」
リーディンはそう言うと、機械人形たちと戦っているライティングやジャガーの元へ走り出していった。
彼女が自分たちのことを心配し、わざわざ脱出するように忠告しに来たと思ったジャズは、ミックスへ声をかける。
「ミックス……。あたし、リーディンたちを手伝いたい。一緒に残ってくれる?」
「最初からそのつもりだけど?」
訊ねられたミックスはキョトンとした顔をして答えた。
ジャズはそんな彼の頭をコツンと叩くと、リーディンの後を追いかけた。
当然ミックスも頭を擦りながら、駆け出したジャズに続いていく。
「痛いなぁ。なんで殴るんだよ」
「別に、なんか殴りたくなったから」
「酷くないそれッ!?」
二人がリーディンに追いつくと、彼女は立ち止まったままで声を張り上げていた。
「ライティングッ! ジャガーッ! 全員もうエレベーターに乗ったよ! あとはワタシたちだけだ!」
ライティングとジャガーは倒しても倒しても現れる機械人形のせいで振り返る余裕はなかったが、声だけは返す。
「よし、じゃあオレらもずらかるとしますか」
「でも、まだノピア将軍が中に……」
ライティングは、サーベイランスを相手にしているノピアのことが気になっているようだった。
だが、そんな彼にジャズが声を張り上げる。
「大丈夫だよライティングッ! ノピア将軍は絶対に負けないッ! ここは将軍を信じて脱出しましょうッ!」
姉の大声を聞いたジャガーは、笑みを浮かべていた。
そして、傍で戦っているライティングに声をかける。
「まあ、そういうこった。リーディンの話じゃ中にはブレイクのヤツもいるようだし。ここは引き上げようぜ」
「だけど、将軍もそのブレイクって子も力が発揮できてないんだよ? いくらヴィンテージと
「だからそれは大丈夫だってあいつが言ったろ? 心配すんなよ、あの人はノピア·ラシックだぞ。あんな能書き垂れてる機械になんかに絶対に殺られねぇ」
ジャガーが返事をした直後――。
ライティング、ジャガー、ジャズの三人に通信が入ってきた。
耳に付けていたイヤホン型の通信機からは、いつになく焦っているノピアの声が聞こえる。
「三人共今すぐこのタワーから出ろッ! 数分後にここは爆破されるぞッ!」
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