#378
ダブの言葉を聞き、ブルースがオスプレイの操作を自動操縦へと切り替えて、皆の前へと立つ。
「彼の言う通りだ。早速話をしよう。とはいっても、私もすべてを知っているわけではないがな」
それからブルースは、自分の息子、娘であるソウルミューとリズムのほうをそれぞれ見ると、浮かない顔を見せた。
(今、二人を見て苦しい表情をしていたな。自分の子供を巻き込みたくなかった――といったところか)
だがそれは一瞬だったので、この中でそのことに気が付いたのはミウムだけだった。
彼女は意識をブルースに集中させた。
しかし、顔には出ていないが、望んだ結果を得られなかったことに、その内心で驚いてた。
ミウムが驚いていることなど関係なく、ブルースは話を始めた。
今自分はとある里長の命を受け、人間に加護――または啓示を与えて
それは
その最高指導者であるイード·レイヴェンスクロフトが世界中にある神具や、
「私が聞いた話によれば、イードは加護や啓示を与えられなくとも神具の力を解放する術を身に付けているそうだ」
ブルースは表情を
「神具の力が複数解放されれば、イード·レイヴェンスクロフトの望むこの世の浄化が可能となる……つまりは人類は滅亡する」
「話は理解した。そのため、あなたはシストルムを守ろうとしていたのだな」
ミウムがそう言うと彼女の機械の腕に付いた黒羊の印から声が聞こえてきた。
《まだわかんねぇことがあるぜ。あんたがさっきリズムの兄貴とそこ美少年を助けたときに見せた光る手。あれってその敵のバーバリーって奴が使っていた技と同じじゃねぇのか?》
「なんだ!? おい銀髪の姉ちゃん! あんたの腕が喋ってんのか!?」
《今さらかよ。お前の家でも俺は普通に喋ってたぜ。まあ、かなり酔っぱらってたから気づいてなくてもしょうがねぇけどな》
ソウルミューが驚いて訊ねると、ルーツーと名乗る人工知能がそう言い、ミウムが冷たく言葉を続ける。
「悪いが黙ってろ。今はブルースの話を聞いているんだ。そして、その次はダブ·レイヴェンスクロフトに知っていることを話してもらう」
「黙ってろだと!? おい姉ちゃん! あんたちょっと綺麗だからって調子に乗ってんじゃなねぇぞ! それとオレはいくら綺麗でも愛嬌のない女は嫌いだ!」
「お前の趣味などどうでもいい。いいから黙っててくれ。話が進まん」
「この……ッ!?」
一歩踏み出そうとしたソウルミューをダブが引き留める。
そのときのダブの悲しそうな顔を見たソウルミューは、苛立ちながらも身を引いて両腕を組んだ。
ダブがホッと安心していると、彼の手を引いたリズムが頭をペコリを下げた。
兄を止めてくれてありがとうと言っているのだ。
それからブルースは、自分のこの手から放つ光――体内のエネルギーを操る技術のことを皆に話した。
この
「イードは私の兄弟子に当たる。バーバリーと私はあの人の弟弟子でそれこそ若いときは苦楽を共にした同門の仲間だった」
「そうか、だから同じ技が使えるのだな。では、次にダブ·レイヴェンスクロフトに知っていることを話してもらおう」
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