#78
――
ブレイクの
彼に
ろくにニュースにもならずに、街は
「おかしい、ぜぇ~たいにおかしいわ。この国はいったいどうなってるのよ……」
ジャズはその
あれだけのことがあったというのに、この国の
もしかして
ジャズが
その後、ブレイクの
今兄が何をしているのかはまったく
そのことを
「あの後、二人で
クリーンはそれ
ジャズは彼女の
きっとクリーンが
もうあのときのように
二人は、これからミックスのお
ちなみにウェディングには、
どうやらリトルたちはニコと会うのが楽しみだったようだ。
ジャズは事件後にすぐにでもミックスの
その
そして、ようやく
「あっ、私としたことが。お見舞いの
「いいって、そんなこと気にするような
「そういうわけにはいきません。ちょっと店に寄ってくるので、ジャズさんは
クリーンと
それから彼女は問題なく
受付でミックスの病室の場所を
「ここだな」
コンコンコンと聞いていた病室の
ジャズは次に声をかけてみたが、やはり返事がないので
「お~い、あたしよ。入るからね」
彼女が中へ入ると、ミックスはベットの上で
スヤスヤと
(
ジャズはミックスの寝顔を見ながら、ブレイクとの戦いを振り返っていた。
もしあのとき、ブレイクがミックスを攻撃してきたとしたら?
自分に彼を
いや、たとえ
このお
だがそれに
そして、いつものように「でもまあ、こんなもんだよね」と、
もっと自分がしっかりせねば。
少なくとも何かあったときに、こいつの
ジャズがそう思いながら、ぼんやりとその顔を見ていると――。
「うぅ~ん……。あれ? ジャズかぁ」
ミックスが体を伸ばしながら目を覚ました。
ジャズは彼の顔を見つめていたのもあって、つい顔をそらしてしまう。
そして、あれから街がどうなったかと、クリーンから聞いた話を彼に伝えた。
「そっか……。また負けちゃったんだね、
笑いながらいうミックス。
だがその態度を見て、彼が落ち込んでるのがジャズにはわかった。
彼女はなんとか
「カッコ悪いよね……。もう、いつもこんなんだよ」
そんなことない、今回だってカッコよかったよ。
ジャズは
「あ、あのさぁ……。あたしはね……」
「うん? なに?」
「だからッ! あたしは今回も前のときも……あんたのこと……」
ジャズが心の中で思っていたことを言いかけた
そして、
その後ろからは、ウェディングやクリーンの姿も見える。
クリーンは、ニコとリトルたちが嬉しそうにミックスにじゃれついているところに出てきて、いきなり頭を下げた。
「ミックスさん、ジャズさん、それにウェディングも……。今回のこと……ありがとうございました」
それからクリーンは皆に
たくさん
皆のしてくれたことに
彼女は
そんなクリーンに合わせるように、
すると、なぜかニコまで頭を下げだしていた。
「でも、よかったよね。お兄さんとちゃんと話せて」
前に出てきたウェディングは、クリーンにハンカチを渡してなだめると、なぜかミックスのことを
じーと怒りのこもった
「ウェディング……? ど、どうしたのかなぁ~?」
「私……今回かんぺきにのけ者でした……」
「いや~そんなことないんじゃない? だってほら、クリーンのためにブレイクに飛びかかったって聞いてるし……」
「どうして呼んでくれなかったんですか?」
「なんでだろ? ど、どうしてかなぁ~?」
「忘れてたんでしょ?」
「いや、そ、そんなことは……」
「キィィィッ! みんなはいたのに私だけあの場にいなかったなんて
「ちょっと待てってッ!? それは俺のせいじゃッ! うぎゃぁぁぁッ! やめろウェディングッ! 今回のはマジでヤバいんだってッ!」
ウェディングは力任せにミックスの体を
その
だが、それでもミックスとウェディング以外は皆楽しそうにしていた。
「ハハハ、こいつのハッピーエンドっていつもこんな感じよね」
ジャズがそう言い、その中で誰よりも一番嬉しそうにしていたクリーンの顔には、もう涙は流れていなかった。
もうあの頃の――。
何も考えず、ただ兄の背中について行っていた頃の自分とは違う。
自分で考えて自分で行動できるのだ。
それに今の自分には体を張ってくれる仲間もいる。
クリーンはそう思うと、本気で痛がっているミックスを見ても笑いが止まらなかった。
「ぎゃぁぁぁ傷口が開いたッ! 医者をッ! 誰かはやく医者を呼んでくれぇぇぇッ!」
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