第7話 交換所①
ステテコのおじさんに尋ねてみた。
「あの、この辺に、ATMとかありますか?」
「え、何だって」
聞き返されたので、言い直す。
「お金を下ろせるところはありますか」
「うーん、ないね」
やっぱり。落胆していると、おじさんは
続けた。
「けど、交換所なら開いてるよ」
「交換所?」
思わず、聞き返してしまった。そう言えば、さっき、これから交換所に行く、とか言っていた。
「お金が要るなら、何か持ってけば、お金に替えてくれるよ」
景品交換所みたいなところだろうか? この辺りにパチンコ屋か何かあるのだろうか?
ゴソゴソとポケットを探ってみる。あったのは、財布とミニタオルと、壊れたスマホと、後は……尻ポケットに、ライター。Zippoの一番安いやつだった。最近、めっきりタバコは吸わなくなったが、今回墓参りに行くので持ってきたのだ。取り替えられる物と言ったら、これくらいだ。
それから連れ立って、三十メートルほど歩くと、左側にプレハブが建っていた。表の立て看板に「交換所」と書かれていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます