第2話「時間」「わからない」「花」であっけらかんとしたお話を

「好き、嫌い、好き、嫌い」

花弁が落ちていく。


足元には、何本もの茎と葉のみになった花が落ちている。

ゆっくり、今の気持ちを尋ねるように花弁をとっていったから、随分時間がかかってしまった。


私の気持ちが、わからないことだけわかった。

何本花を持っても、やっぱりわからない。

薄々わかってたけど、花弁を毟って気持ちが分かるわけがない。

人の感情は、人に接してわかるものなんだから。


じゃあ、会いに行こう。会いたいって気持ちは、確かなことなんだから。


そう信じて、扉を開け放つ。

新鮮な空気をかき分けて、歩き出した。


後には、落ちた花弁と、茎と葉だけが残った。


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