第69話 お姉ちゃんがなめてくれたら、治ると思うんだ

「ねえ、リーナ。悪いことしたら、謝らないといけないよね。宝箱壊れちゃったよ? これは誰が悪いのかな?」


 え? どういうことですの?

 壁に追い詰められて、顔の横には彼の手があって。

 えっと、これは確か……。

 ロマンス小説などでたまに見られる現象ですわね。

 いわゆる壁ドンではありませんの?

 まさか、体験出来るなんて思っていなかったら、嬉しいですわ!

 などと言っている状況ではないですわ。


「あれは安全の為ですのよ? レオなら、分かってくれると思いますの。全てはあなたの身を案じてのことですもの。堪え難きを堪え、忍び難きを忍んで串刺しにしたのですわ」


 虚勢を張って、胸を張ってそう主張します。

 大袈裟に言ってみましたけど大筋はそうですもの。

 間違ってませんでしょう?

 トラップに引っ掛かって、レオが怪我したり、大事になるよりは絶対にいいのです。

 『トラップを笑う者はトラップに泣く』という格言があるとか、ないとか。

 多分、なかった気がしますけども。


「それは誘っているんだよね?」

「あんっ。って、レオ! それはダメですってぇ」


 胸を張るのが失敗でしたのね。

 いくら慎ましやかな胸とはいえ、この状況で胸を張るのがまずかったのかしら?

 壁ドンしながら、もう片方の手で服の上から、重力に逆らわせるように下から、胸を揉みしだくレオの手並みはもう見事としか言いようがありません。

 一定のリズムを刻みながら、下から上に持ち上げるように揉まれるのはいつものマッサージでされているから、慣れて……慣れてませんわ!

 服を着ているのに見えているの?というくらい正確に蕾を摘まんだり、捏ねたり、抓ったりしてくるんですもの。

 そんなのに私が耐えられるはずもなくって。


「そこ、すごくいいの……あんっ。レオ、もっとして欲しいの」


 あら?

 もしかして私は自覚の無い馬鹿だったのかしら?

 このような場所で求めるなんて、はしたない以前に変態さんですもの。


「んっ、ちゅっ」


 そう頭で考えているのに互いに求めあうような激しい口付けを交わし、舌を絡め合っているなんて、十分におかしいですわ。


「リーナ、だけどさ。ここは外だから、無理だよ」


 レオはしれっとした表情と口調でそんなことを言ってきます。

 本当はそう思っていないのでしょう?

 もっとして欲しい、愛して欲しいのと熱を込めた視線を送っても彼はそれを受け流すのです。

 わざとしてません?

 もしかして、これは遊ばれているのかしら。


「リーナはさっき、やっちゃったからなぁ。まず、態度で誠意を示さないといけないと思うんだ」


 は、はい?

 えっと、これはもしかして、何かしなくては許してはもらえないということかしら?


「は、はい」

「よろしい。それじゃ、リーナ。まずはそこにしゃがんでくれないかな」


 完全にレオのペースに巻き込まれているような……。

 拒むことは出来ませんから、素直にしゃがみますけど。

 そんな私の顔の前には丁度、レオのアレがあるのですがどうしろというのかしらね。


「リーナ、分かるよね?」


 そう言いながら、彼は白いパンツと下衣を下げました。

 天を向くほどに元気に反り返った彼の分身が現れますけれど、これは既に臨戦態勢に入っているのよね。

 もう何度も愛し合っているのですし、嫌というほど目の当たりにしているのですけども。

 改めて、明るい場所で見ると……とてもグロテスクですわね。

 これが私の中に挿入はいって、気持ち良くて、それでもっと欲しくて……でも、グロテスクですわ。

 こんなに大きなモノを受け入れてたなんて、自分が信じられませんわ。

 大事なことだから、二度言いましたけどグロテスクなのに愛おしくて、堪らないのです。

 だって、レオなんですもの。


「ええ? 私はどうすれば、よろしいのかしら?」

「あっ……そっか。うん、だよね。分かった。ちょっと待って」


 目の前で見せつけるように反り返っていたレオの怒張が心無し、元気がなくなったような気がします。

 しおしおしたら、ちょっとかわいいかと思いましたけど、そうでもないですわね。

 生殖器官ですものね。

 知ってましたわ。

 本で色々な動物のを見ましたけど、かわいいのなんてありませんもの。


 しおしおなままなのはレオが思案に耽っているせい?

 それも眉間に皺を寄せるほど、深く悩んでいるせいかしら?

 難しいことを考えると元気がなくなりますのね。

 知りませんでしたわ。

 などと変なことに感心していますとレオが爽やかな笑顔を浮かべながら、私を見つめています。

 なぜか、その爽やかすぎる笑顔に背を冷や汗が一筋、伝いました。


「ねえ、リーナ。リーナって、お姉さんしたいんだよね?」

「はい? そういう訳ではありませんけど? 私の方が年が上なのですから、あなたを甘やかしたいと思っているだけですのよ」

「リーナは僕を甘やかしたい。僕はリーナを愛でたい。だから、とてもいいことを思いついたんだ。リーナも誠意を見せることが出来るんだから、一石二鳥だよ?」

「そ、そうですのね」


 嫌な予感しか、しないのですけども!

 レオの『いいことを思いついた!』は間違いなく、私が翌日に動けなくなる絵に繋がるんですもの。


「だから、僕の話に合わせてくれるよね、?」


 有無を言わさないレオの言い方に無言でコクコクと頷くより他ありません。

 気のせいか、ちょっと元気のなくなっていたレオのレオがまた、ムクムクと反り返っています。

 何で元気になったのでしょうね。

 しおしおがぴきぴきになった?

 なまくらの剣が研ぎ澄まされたって、ところなのかしら?


「お姉ちゃん、僕のここ、おかしいんだ。こんなに腫れちゃって、痛いんだ。助けてよ」


 ん? はい?

 あっ……察しましたわ。

 そういうということですのね?

 でも、ここは誰が通るのかも分からないダンジョンですわ。

 そんな正論を言ってもレオの目は許してくれない本気の目。

 仕方ありませんわ。

 覚悟を決めて、演じさせていただきましょう。

 年上のお姉さんとしての私に恐れおののくがいいのですわ。


「まぁ、かわいそうに。こんなに大きく腫れあがって…かわいそうに」


 一度もしたことないのですけど、彼の怒張に手を副えて、優しく撫でるとレオが 『うっ』と軽く呻きましたけど、気にせず、そのまま優しく、一定のリズムで撫で続けます。

 もう片方の手を怒張の根元で所在なさげにしているモノに触れると思っていたよりも柔らかくて、意外と触り心地がいいではありませんか。

 さわさわしすぎるとレオがまた、変な呻き声を上げるので気持ちいいのよね?


「お姉ちゃんのことを考えたら、腫れてきたんだ。僕はおかしいのかな?」

「おかしくないですわ。私に任せて。治してあげるわ」


 そう言い切った私ですけど、どうすればいいのかは良く分かっておりませんの。

 手で触る以外にもあるのかしら?

 あまりにキョトンとした顔で固まっていたからか、レオが痺れを切らしたみたい。


「お姉ちゃんがなめてくれたら、治ると思うんだ」


 あっ……二度目の察しですわ。

 それでアレを見せつけるように私をしゃがませましたのね。

 それなら、そうと仰って下さったら、喜んで…はしませんけどレオの為なら、何でもしますのに。

 レオの肉槍があまり動かないように指を副え、顔をその先端に近付けるとむせかえるような雄の匂いが鼻を刺激してきます。


「うっ……そう、舌でそこ。やばい。おぅ」


 舐めるように言われたので怒張の先端の割れ目を舌先でなぞるように這わせると気持ちいいのか、レオが喜んでくれました。

 それならと思って、赤ちゃんの素が出てくる場所へと舌先を侵入させてから、怒張を口に含みます。

 含んでから、ちょっと後悔しました。

 顎がおかしくなりそうですわ。

 もしも外れてしまったら、診てもらうのも恥ずかしいですわね。

 『彼のを口でしようとしたら』なんて、とても口に出せませんもの。


 現実逃避しかけましたけど、レオへの奉仕はやめません。

 チロチロと割れ目に舌を這わせながら、呑み込んでは離すのを繰り返していると彼の息遣いが段々、荒くなってきた気がします。

 ただ、彼のモノは大きくて、先っぽを含むことしか出来なくて、これでちゃんと気持ち良く出来ているのか心配でした。

 上目遣いにレオの様子を窺うと上気した顔で蕩けるように潤んだ瞳がに見つめられていたのです。

 ドキッとして、彼のモノから、口を離すと私の唾液ではなく、彼自身の先端からドロッとした透明の液体が滴っていて。


「お姉ちゃん、もう少しだから。お願い」


 そう呻くような掠り声で懇願されて、また、彼の怒張を口に含み、舌先でレオの割れ目から沁み出してきた液体を舐め取りました。

 それだけでも「うっ」って、呻き声が聞こえましたから、気持ちいいのかしら?

 刺激するように手で怒張と袋を撫でながら、ゆっくりと彼のモノを含んでは離すを繰り返していると……


「リーナ! もう無理! 我慢出来ない……ごめんっ」


 『え?』と思う間もなく、レオの力強い手で頭を押さえられて、彼が怒張を突き入れてきたのです。

 口を犯すように喉奥までへと侵入してきた肉槍はビクビクと脈動すると私の口内に精を放ちました。

 放たれた赤ちゃんの素は口いっぱいに広がっていって。

 何とも言えない感覚ですわ。


「ふぅ……はぁはぁ」


 全て、出し切ったのか、彼の息遣いは荒くなっていて、白濁した赤ちゃんの素と私の唾液が混じりあって、引き抜かれた怒張が彩られています。

 口の中に残されたレオの白濁はちょっと青臭いですし、生臭さも鼻に抜けてきて、妙な食感としか、言いようがありません。

 美味しいものではないと分かっているのですけれど、捨てるのは彼に悪い気がして。

 我慢して、飲みこむことにしました。

 レオがあんなに気持ち良さそうに出してくれたんですもの。

 捨てるなんて、勿体ないですわ。

 だって、赤ちゃんの素ですのよ?

 レオの精ですもの。

 本当は『膣中なかに欲しかったですわ』って言ったら、軽蔑されるかしら?


「飲んじゃったの!?」


 するとなぜか、レオが驚いていて。

 飲んではいけないものだったのかしら。

 美味しいものではありませんでしたけど、レオのものだと思うと美味しいような気がしてきましたのよ?

 気がしてきただけで多分、美味しいものではないですわね。


 引き抜かれたレオの怒張は色々な物で汚れてましたから、舌先でそれを舐め取りながら、手で怒張を優しく撫でてあげました。

 『いい子、いい子』と撫でるとまた、元気になってくるのがちょっと面白いですわ。

 あんなにたくさん出したばかりで少々、元気がなくなって、しおしおだったレオのレオが堅さと熱さを取り戻しました。

 雄々しく反り返ったアレは肉のナイフなんて、評していた本もありましたわね。


「え?」


 もしかして、悪手だったかしら?

 レオの目にギラギラとした熱情が見えます。

 やる気に満ちてますわね。

 そのやる気は単に私をヤるだけなのかしら?


 こんなに元気なんですもの。

 これだけでレオが満足するはずないですわ。

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