この最高の世界に乾杯!
もっさん
1章
第1話 真実の世界
ふぅ~。。。
午後の1時10分前。
昼飯を食べて、やる事は全て終えた。
新しい世界へ行く準備は万全だ。
今日はクリスマスの25日。
この日の為に年内の仕事を全て消化し、仕事納めの日までの期間は有休をとった。
これで心おきなく、真実の世界へ旅立てる。
VRMMO
(仮想現実大規模多人数オンラインゲーム)
真実の世界
『THE WORLD OF TRUTH』
世界の名だたる企業や財閥が出資して作った企業。
『アークス』
開発期間31年。開発費なんと100兆円以上を費やし、この世界を作り上げた。
その規模は、現在の世界とほぼ同じ広さ、大きさを誇るという。
期待の高さからか、全世界の事前登録者数が1億人を超えたと発表があった。
これまでの前振り。期待しない方がおかしかった。
僕もそれにもれず、ハードやソフトを買って今にいたるのだ。
USA時間0時にスタートとあったので、
日本時間だと午後1時スタートだ。
1日前から、事前にアバターの作成等々ができるのでやっておいたが、これが結構、細かすぎて大変だった。
あ~しよう。こ~しようと考えるときりがなく結局、2時間位かかってしまった。
そして名前は、レイ=フォックスとした。
響きがかっこよかったからだ。
そして、真実の世界はチュートリアルや説明がなく、ただあったのは3つだけ。
1つ。インして最初はまず冒険者協会に行くように。
2つ。冒険者はライフが0になり死んだら、レベルが1~5落ちる。
3つ。この世界で生きている人や種族は死んだら生き返らない。
これを聞いて、正直デスペナルティが厳しいなとは思ったが、普通のゲームは死んだらすぐ何事もなく復活できるので、まぁ~リアルを追求するならしかたないか。
そうして今をむかえていた。
さて、はじまるぞ。。。期待を胸に時を待つ。。。10秒前。。。3、2、1。。。
イン!!!
視覚だけでなく体全体が浮くような感覚。
うわぁ~。変な感じ!
☆☆☆
目を開けると、真っ青な晴れた空が目の前にあった。
「ん。。。」
僕は草原に横たわっている様だ。
起き上がって、辺りを見渡すと、少し先に山々に囲まれた大きな町が見える。
「とりあえず、っと。」
まず僕は最初に自分のステータスを確認した。
レイ=フォックス ヒューマン 年齢18歳 男 レベル1
基本能力値:攻撃力1 防御力1 体力1 魔力1
とよくゲームで見かけるステータスから、その他に
スキル:運1、器用1、精神力1、知力1、速さ1、交渉1、コミュニケーション1、愛情1、料理1、鍛冶1、閃き1。。。今の状態(空腹度、睡眠度)等々ものっっすごくいろいろあった。
そもそも愛情って何だよ。
まぁ~とりあえず、全て1からスタートって事ね。
ステータスを確認し終えた僕は自分の体を見る。
手で顔を触ったり、飛び跳ねたり、腕立て伏せしたみた。。。。。
いや~すごい!よく出来てるわぁ~!
感動!!!
本当に自分がここにいる感覚。風を感じるし、気温も感じる。これはすごい!!なんか変な感じ!VRなのに現実世界にいるような感覚である。
僕が生きているこの時代に、ゲームもここまで進んだ事に感謝を感じつつ、まずは町に行って冒険者協会へ向かうことにした。
行かないと始まらないもんね。
山々に囲まれたその町を守る様に高い壁があり、門兵さんから止められる事もなく、普通に入ることが出来た。
門から入ると思った以上にこの町は大きかった。
見ると結構古い町並みだ。歴史を感じるね。そしてその先にはそんなに大きくない城がみえた。
人々を歩きながら観察しているけど、いゃ~すごい。。。ちゃんと人だ。
もちろんあまりにリアルすぎると引くが、そんな感じではなく、ちゃんとアニメやゲームにでてくる様な感じ。それがリアルの人の様に動いている。
だからこそすごく新鮮で、すごく親しみのある風景がひろがっている。
とりあえず看板や文字は読めるので、探しながら何とか冒険者協会へたどり着いた。
中に入り奥へと行くと、受付らしい窓口があった。
そこに居た美人なお姉さんに話しかけてみる。
初めてゲームの中での会話。結構緊張したのは余談である。
「すみません。冒険者登録をしたいのですが。」
「登録ですね。ではこちらに手を触れてください」
美人なお姉さんはそう言って、ボーリング玉くらいの大きさの水晶を取り出してきた。
「これに触ればいいんですか?」
「はい。触れるだけでいいですよ。」
水晶に触ると、淡く光り、僕の名前や年齢等が表示された。。。ほう。これで登録するんだ。簡単だ。
「はい。これで登録は終了です。他に何かありますか?」
「1つ聞きたいんですが、お金を稼ぐにはどうすればいいんでしょうか。」
そうなのだ、スタートしたのはいいのだが、何もない。
あるのは、今着ている服のみ。
だからとりあえずは、何をするにもお金を稼いで準備を整えないといけなかった。
「そうですね。手っ取り早いのは魔物を倒して魔光石を手に入れる事でしょうか。魔光石は生活する為の資源となっています。なので、当協会では冒険者様が取ってきた魔光石を買い取る制度となっております。
魔物レベルが高ければ高いほど魔光石の純度も高く、高値で取引をしております。
もちろん他にも当協会で発行しているクエスト達成報酬や、生産系商売、取引などいろいろとございます。」
なるほど~。
「ただ武器がない場合は、薬草の取引も取り扱っておりますので、しばらくは薬草採取がおすすめですね。」
討伐報酬やクエスト報酬はRPGみたいでわかりやすくていいね。
まずはそこから始めるか。
何といってもこの世界。自由すぎるのだ。
通常、王道のストーリーがあるものだがそれもない。
だから、冒険者のまま冒険を続けるのもよし。普通に生活をするのもよし。最強を目指すのもよし。商売をするのもよし。恋愛するのもよし?(出来るのか?)
とにかく好きに生きていいのだ。
リアルでは人との付き合いが多い職場にいるから、この世界ではプレイヤーとはあまり付き合いたくない。
だから基本ソロでやっていこうと思う。
僕のとりあえずの目標は、冒険者として、いろんな所に旅をして、
さまざまな人(NPC)と会って
いろいろな体験ができればいいなぁ~みたいな感じ!
そんなゆるい感じで初めた僕だったが、
まさか結果として全世界のプレイヤーに名が知れ渡るほどのトッププレイヤーになるとはこの時は到底思えなかった。
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