【奨励賞】 魔法の使い方
魔法の使い方
著・柊かすみ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917530344
魔法使いが確認されて十年。逃亡してきた魔法使いのVCSを助けた安藤司が、魔法でループしていく作品。
Linuxのソースコードを効果的に管理するために開発された分散型バージョン管理システムの一つ、Gitのプログラムソースをつかって魔法によるループを表現しているところが面白かった。
ちなみに魔法使いVCSの名前は、バージョン管理システムのことだろう。ファイルの変更履歴の保存・管理を行うソフトウェアの名をつけていると推察する。
きちんと組み立ててあるからこそ、繰り返しながらす少しずつ変化していくストーリーが描けている。うまいと思えた。
読んでいると、「十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかない」とするクラークの第三法則を思い起こさせる。他には、やり直しをくり返す異世界ものや、「涼宮ハルヒの憂鬱」に出てくる長門有希の能力、他のアニメ作品なども浮かんできた。
主人公である安藤司がいくつかはわからないので、三つ年下にみえる少女というのがイメージしにくかった。
十五歳なら十二歳。
二十歳なら十七歳。
二十五歳なら二十二歳。
少女と呼ぶなら、主人公は十五歳くらいなのだろうか。
だとすると、助けて家に招き入れて家族がいる様子がないのがおかしく感じる。
十年前の幼い頃の記憶はもうほとんど失われていたが「十年前と大して変わらない生活を送っている」主人公は「ただ年だけとって通う学校が変わっただけだ」という。
大学生になったとすると十九歳。
ならば、魔法使いは十六歳か。
コーヒーミルを使って豆を挽いてカフェオレをつくるということは、普段からブラックコーヒーを飲み慣れているのでしょう。
魔法使いが裸足だったと気づくけれど、外を歩いているときから裸足だったのか、靴を脱いで家に上がったとき裸足だったのかがわからず、気になった。それとも靴を脱がないアメリカンスタイルな室内ならば、素直に裸足だったことに驚ける。
後半、一緒に風呂に入ることになるのだが、「異性の存在を意識をしないわけではないが、俺の脳みそは先程から起きたいろいろなことでいっぱいいっぱいになっていた」とはいえ、気まぐれで一緒に風呂に入るだろうか。
いっそのこと下心でもあったほうが、行動としてはすんなりいく。なくてもいいけど、ないならないでやはり一緒には入らないのではないか。
読んでみて、アイデアが面白い作品を書いてみたいと思った。
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