メモ用紙と手紙
紫鳥コウ
un / une
海沿いの道は、ねずみ色に
しかし、雨になりそうな気配は、不思議とまったくしない。
こうした天気だということもあり、ひとは、なかなか見当たらない。ここが、海沿いのひっそりとした道だということもあるのかもしれない。
急ぎ足で歩いていると、公園が見えてきた。
この公園は、いつ通っても
――――本当に、この公園にひとがいた。
悪天候で寒さを感じるにしても、こんな夏なのに、肌ひとつ見せない黒色のコートを羽織っている。
こがね色の、宝石のような光沢を持つ、長く美しい髪は、海を
――――この少女は、なぜ、ここで本を読んでいるのか。
少女は、目線を本から外して、ひと息ついた。そして、なにか憂鬱そうな視線を、ほこり色の砂場に落としていた。彼女は、だれかに叱られてここに来たのだろう。公園とは、そんなところだ。
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