四章・伏魔(1)

「地震じゃないわ!」

 皆が狼狽える中、最初に真実に気付いたのは朱璃あかりだった。次の瞬間、いちはやく危険を察したアサヒが目の前の研究員に飛びかかる。

「危ない!」

「ひゃあっ!?」

 半裸の少年に抱き着かれ彼女が悲鳴を上げた直後、飛び退いた二人を追いかけて何かが地中から飛び出して来た。

「ひっ!?」

 顔を引き攣らせる研究員。その眼前でアサヒの展開した魔素障壁シールドが攻撃を防ぎ、動きの止まった怪物めがけマーカスとウォールが素早く銃撃を浴びせる。敵は肉片と緑色の体液を撒き散らしながら絶叫を上げた。落下したそれはすでに原型を留めていない。

「な、なんですか!? なんなんですかあれっ!?」

「逃げろ! 砦まで走れ!」

「ま、待っ──ぐぼッ!?」

 マーカスが指示を出すも、同時に別の研究員が土の中へ飲み込まれた。地面が隆起して実験装置が横倒しにされ大きな音を立てる。

「ピギィ!?」

 その音に驚いたのか敵の気配が遠ざかっていく。しかし、このままいなくなるとは思えない。おそらくは一時的な様子見。朱璃は地面に飲まれた研究員が落としたカメラを拾うと、真っ先にその場から走り出す。

「装置は放棄していい! カメラを死守しつつ撤退!」

「りょ、了解!」

 王太女である彼女が逃げ出したことで他の者達も素直に続く。立場のある人間が残っていたら他も逃げられやしない。だから彼女は最初に動いたのだ。

 だが、敵はやはり諦めなかった。あちこちで土が盛り上がり、凄まじい速度で追跡して来る。銃撃で牽制しても土が盾となって弾が届かない。

「なら、こいつはどうだ!」

 MW二〇五──朱璃が開発した突撃銃アサルトライフル型“魔法の杖”のセレクターを回し、銃口を迫り来る敵のうち一匹へと向けるマーカス。その銃口から次の瞬間、弾丸ではなく銀色の光が矢となって放たれた。彼の体内から分離された魔素だ。それは圧縮された空気の玉を“再現”し、次の瞬間炸裂して爆音を生み出す。


 案の定、敵はまたしても悲鳴を上げて逃げた。


「やっぱりだ! 連中、デカい音に弱いぞ!」

 さっき実験装置が倒れた時の様子を見て推察したのだが、当たっていたらしい。地中を移動する生物だから視覚ではなく聴力で獲物の位置を捉えているのだろう。耳が良いから大きな物音を嫌う。

 それを知った他の調査官達も次々に同様の攻撃を繰り出す。

「このっ!」

「来るんじゃねえ、化け物ども!」

 たしかに空気弾が炸裂する度に敵は怯み、距離を取った。

 しかし──

「駄目だマーカスさん! 奴等、慣れてきた!」

「だんだん逃げなくなって来てる!」

「ヤロウ、賢ぇな!」

 どうやらこちらの攻撃がコケ脅しだと気付いたらしい。多少の物音には動じなくなってきている。

「なら──」

 ウォールが別の魔法を立て続けに放った。土に干渉する魔法だ。それが地面に着弾し地中に無数の壁を作る。

「来るぞ!」

 ナイフを抜く彼。その意図を察した仲間達もそれぞれの獲物を構える。

 ウォールの作り出した地中の壁を障害物と認識した敵は次々に土から飛び出し、空中に身を躍らせて襲いかかってきた。

「オラッ!」

「この!」

 銃弾で穿ち、あるいはナイフで切り裂いて迎撃する調査官達。そしてようやく敵の本来の姿を目の当たりにする。

「なんだこいつら!?」

「芋虫、いや、ミミズか?」

 なんにせよ巨大ワームだ。一匹が一.五mほどで口の周りに鋭い四本の牙が生えている。口の中にも小さな牙がビッシリ並んでウネウネと動いていた。臭そうだし、この中に飲み込まれることは想像したくない。

「新種やな! 一匹一匹は大したことあらへんけど、こりゃ大変やで!」

 カトリーヌの視線は新たに迫りつつある敵群の姿を捉えていた。やはり学習能力が高いらしく地中の壁を迂回して来る。

「キリがねえ! 走れ走れ! 牽制しつつ撤退!」

 敵が多すぎる。あれだけの数をいちいち同じ方法で迎撃していたら全滅させる前にこちらが行動不能に陥るだろう。現代人は魔素に適応することで旧時代の人間より優れた身体能力を手に入れたが、逆に体内の魔素が枯渇するにつれ筋力が低下し、最悪の場合心停止を引き起こすというデメリットも背負ってしまった。旧時代の競走馬サラブレッドがスピードと引き換えに故障しやすく“ガラスの脚”と呼ばれていたのと同じだ。今の彼等は持久戦を苦手としている。どんな物事も一長一短。何かを得たら、その代わりに何かを失う。

 天敵である“記憶災害”もまた一〇分間の維持限界という法則に縛られていることを考えると皮肉な話だ。魔素という物質に触れたことでお互い短期決戦型になったわけだから。

 再び走り出す彼等。だが敵はやはり音にも動じなくなってしまっている。このままでは追いつかれるのも時間の問題。自分達がやられたら、次は先行している朱璃や研究者達が狙われることになる。

(ついさっきまで何事も無かった。なのにいきなりこれだ……てことはやっぱり、狙いはアイツか!)

 こうなった原因を推察したマーカスは、少し前を行くアサヒに呼びかけた。

「ボウズ! お前がアイツらを足止めしろ!」

「マーカスさん!?」

 ベテラン調査官の予想外の発言に驚く友之。たしかにアサヒならどんな怪物が相手でも簡単にはやられないだろうが、それでは彼を囮にするようなものじゃないか。

 いや、事実マーカスは彼を囮にするつもりなのだ。

「うるせえ、わかってんだろ! アイツらの狙いはヤロウだ!」

「そ、そりゃそうでしょうけど……」

 言葉に詰まる友之。小波にもウォールにもわかっていた。彼等は福島までの道中で幾度か目にしている。変異種や竜が狂ったように暴走してアサヒを付け狙う姿を。

「オレらが森に入るまででいい! やれ!」

 森は地中に伸びた木々の根が天然の防壁になっている。おそらくあのワーム達は入って来られないはずだ。

「わかりました!」

 マーカスに三度促されるより早く反転するアサヒ。彼もやはり自身の体質が作り出したこの状況に責任を感じていた。同時に自由に力を行使することのできないもどかしさも。

 驚く友之と小波の間をすり抜け、マーカスと交差する。

 その瞬間──

「すまねえな」

「!?」

 まさか、そんなことを言われるとは思っていなかった。

 驚きつつも足は止めない。多少動揺してもやるべきことを忘れてしまわない程度には、彼もこの過酷な時代に順応したから。

「むっ!?」

 殿で迎撃を続けていたウォールの横を駆け抜け、そのまま最後尾へと回る。すると予想通り、群れは針路を変えて彼めがけて殺到した。

 次の瞬間、地中から飛び出した大量のワームが彼に襲いかかる。それを魔素障壁で防ぐアサヒ。しかし障壁に覆われていない地面が突然底なし沼のようになって彼の両足を飲み込み始めた。

「くっ!?」

 空中と地中からの両面攻撃。身動きの取りにくい土の中へ引きずり込んでから仕留める気か。

 だったら──

「アサヒ様!?」

 朱璃の安全を優先して彼女の傍についていた大谷だったが、アサヒの行動に気が付いて足を止める。ところがその腕を朱璃が引いた。

「大丈夫よ、走りなさい!」

「アサヒ!」

「飲み込まれる! 助けないと!!」

 ようやく飛び込んだ森から再び引き返そうとする小波。

 だがやはり、そんな彼女の前に腕を突き出し、制止しながらカトリーヌが確信に満ちた笑みを浮かべる。

「安心しい小波! あの子はな、あの程度のもんにはやられへん!」

 彼女達の視線の先で銀色の光が膨張し、炸裂した。



「だったらぁ!」

 相手が地中にいるなら土ごと吹っ飛ばしてしまえばいい。仲間達との距離が十分開いたことを確認したアサヒは拳に魔素を収束させる。東京や福島の時ほどの量ではないが、先刻の実験に比べれば遥かに膨大な量の魔素が圧縮され、強い輝きを放った。

「こうだ!!」

 振り下ろした拳が地面を叩くと、圧縮された魔素が彼の思い描いたイメージを再現して爆発を起こす。

「ピッ!?」

「ギィッ!」

 大量の草や土砂ごと宙に巻き上げられるワーム達。荒れ狂う力の渦に引き裂かれ、ことごとく千々の肉片と化す。

 ところが、

「うわあっ!?」

 表面を吹き飛ばされた地面に無数の亀裂が走ったかと思うと、いきなり音を立てて崩落してしまった。巻き込まれたアサヒもまた大量の土砂の下敷きとなる。

「ん……ぐ、ぐ……だあっ!」

 窒息する寸前、再度それを吹き飛ばす彼。普通の人間なら窒息以前に圧力で死んでいたかもしれない。初めて自分が“記憶災害バケモノ”で良かったと思えた。

「な、なんだここ……?」

 すえた臭いが鼻をつく。気持ち悪い。元はゴルフ場だったという草原の下に巨大な空洞が広がっていた。地下都市ほどではないにせよかなりの広さがある。それに湿度が高い。よく見ると足下には水が流れていた。さらに大量の獣の骨が散乱している。

 いや、少数ながら人骨も混ざっていた。まさかこれは、このあたりで消息を絶った人達のものか?

「ギ……ギ……」

「ギィィ……」

「!?」

 奇妙な声を聴いて振り返る。暗闇の中に無数の銀色の光が浮かび上がった。魔素の放つ輝き。朧気だが数は多い。

 次の瞬間、いきなり視界が明るくなった。魔法で光を生み出したわけではない。視覚が人のそれから“ドラゴン”のものに切り替わったのだ。アサヒ本人には見えていないが、瞳が金色に変色し瞳孔が拡大する。体内同居人ことシルバーホーンによる視覚支援。

 おかげでわかった。洞窟内にさっきのワームと同じものが数え切れないほど蠢いている。どうやら彼等の巣に落ちてしまったらしい。

 そして竜の視覚は、人の目で捉え切れないほど薄い密度の魔素をも明確に認識した。

「これは……そうか、これが朱璃の言っていた」

【そうだ、こいつらが森の拡大を阻んだ元凶だ】

 シルバーホーンの思念が肯定する。ワームの体表から魔素が霧となって立ち昇っている。おそらく上の草原に木々が生えなかったのはそのせいだ。この変異種ワームの記憶を保存した魔素の影響で、巣の上では彼等の行動しやすい環境が保たれているのだろう。

 個として見れば、さほど強い生物ではない。武装した兵士や調査官なら十分対処できる。だから普段は獣か少数で行動している人間だけを狙い、襲っていたのだ。けれども自分が近くに来てしまったことで身を守るための習性を忘れ暴走を始めた。

(俺のせいで……)

 さっき地中に引きずり込まれた研究員を思い出す。状況から見て生存は絶望的。自分の厄介な性質が他人を巻き込んだことに少なからず負い目を感じる。

 朱璃達はそろそろ安全な場所まで逃げ延びたはずだ。自分だけなら簡単にここから逃げ出すことはできる。

 でも、アサヒは怪物達を睨みつけた。

「こんな危ない奴等、放っておけるか……」

 地中に巣食っているのなら、いつか地下都市にまで侵入してくるかもしれない。見える限りで全てとは限らないが、ここの分だけでも駆除しておくべき。そう判断した。

 すると、そんな彼の決意に応えて肉体に変化が生じる。


【手伝ってやろう】

「うぐッ!?」


 心臓が鼓動する。強く激しく、その中の高密度魔素結晶体が明滅した。血管も光を放つ。注射された薬剤が反応しているだけではない。肉眼で視認可能なほど膨大な量の魔素が胸の“竜の心臓”から引き出され血液と共に体内を駆け巡っている。

 すぐに全身を赤い鱗が覆い始めた。細身の体躯がどんどん膨れ上がっていく。額からは鋭く尖った角が生えた。口の中で歯が変形して牙と化す。

「や、やめろ馬鹿! お前が戦わなくても──」

【──いいや、この方が早い】

 顔も大きく変貌した。人からドラゴンのそれへと。ワニのように大きく前に突き出た顎を開くと、喉の奥から赤い炎が迫り出し始める。サイズこそ大きく変わっていないものの、気配は完全に別物。ワームの群れに動揺が走り、それまで彼を狙って飛びかかるチャンスを窺っていた彼等は一転、遁走を始めた。洞窟の奥の無数の小さな穴へ我先に飛び込み、押し合いながら悲鳴を上げる。


 無駄だ。一匹たりとも逃がすものか。


「ゴアッ!!」

 射出された火球は目の前の地面に着弾して爆炎を撒き散らす。炎は壁伝いに走って洞窟の奥へと駆け抜けて行った。視界に映る全てのワームが一瞬にして蒸発する。アサヒ、いや赤き竜シルバーホーンは自身の放った炎に包まれても身じろぎ一つしない。人と竜の中間の姿でさらに数回火球を放ち、洞窟内をあらかた焼き尽くす。

(まだ、まだだ、まだ足りぬ)

 金色の目がここからは見えないはずの彼方までを見通す。どうやらこの洞窟は蟻の巣のように細かく枝分かれしているらしい。他にも無数の反応が感知できた。ここにいた敵は群れ全体のごく一部に過ぎない。本来はもう少し深い領域をテリトリーとする生物のようだ。今まで人間達に存在を認識されていなかったのはそのせいだろう。

 巣を拡張するうち、一部が地表の近くまで到達してしまった。それがこの場所だ。自分達が落ちて来なければ、これから先もしばらくは繁栄を謳歌できただろう。


 だが、これで終わりだ。

 我に出会った不幸を呪え。


 なんらかの方法でこの場の同胞の末路を知ったのか、すでに残りの群れも逃走を始めていた。遠ざかって行くそれらの反応を確かめ、赤き竜は黙考する。

(ふむ……)

 彼は足下の水に着目した。どうやらここは元来地下水脈だったようだ。それをあの虫共が掘って拡張したのだろう。だからこそ日中にもかかわらず“あれ”の影響を受けて襲いかかって来た。

(まだ諦めてはおらんか……こちらも同じだ。受けて立つぞメス蛇めが)

 ニヤリと笑った彼は鼻先に移動した角を白く輝かせる。魔素の反応によって水流が洞窟全体に行き渡っていることは確認済み。よって敵はことごとく彼の射程内にいる。

(この程度の雑魚、いくらけしかけようと無意味。大人しく我等がそこへ行くのを待っていろ!)

 久方ぶりに味わう暴虐の愉悦。表情を歪ませ雷光を放つ。

「ガアッ!!」

 水の流れを伝播して高圧電流が駆け抜けた。電力は記憶災害発生のトリガーだが、この雷は違う。電圧が高すぎて魔素そのものを焼き尽くすのだ。

 岩すら蒸発させる超高熱の雷撃が洞窟内を駆け抜け、そこにいた生物を一匹残らず蹂躙した。さらには発生した水素や溜まっていたガスに引火し、大爆発を引き起こす。

 爆光の中、障壁を展開して身を守るシルバーホーン。今のこの肉体は不死に近い。わざわざ防御する必要も無いのだが、時折飛んで来る虫共の残骸や土に塗れるのは嫌だった。彼は綺麗好きなのだ。

 やがて炎も衝撃も通り過ぎた。地面はまだ焦熱で燻っているが、これで害虫は完全に駆逐できただろう。ひょっとすると地上の森にまで爆発の被害が出ているかもしれないが、知ったことではない。人間共の住み処とは正反対の位置だし、地下深くにあるあの街には大した影響も無いはず。

 彼は翼を広げると、力強く羽ばたいて上昇した。事情を知らない人間に見られると話がこじれそうなので、あまり高度は取らないようにしつつ、自分が生み出した光景を見つめる。その表情が嬉しそうに歪んだ。


 崩壊した大地。薙ぎ倒された木々。方々から立ち上る黒煙。

 ああ、これだ。圧倒的な力で弱者を踏み躙る快感。

 これこそ自分の望む闘争。一方的な暴力の嵐。


(だからこそ、あれは滅ぼさねばならん)

 この世界で唯一、自分を上回る存在。長年この身を操って傀儡の王に仕立て上げていた白い大蛇。今も東京の地に巣食う全ての記憶災害の元凶。

 忌々しいメス蛇。

(久しぶりの戦いだ。あれとの再戦の前に、もう少し愉しむか?)

 この程度では物足りない。そこらの獣を襲ってみるのもまた一興。二五〇年前と違い、この世界の生物はさっきの虫共同様、魔素に順応したことで多少は嬲り甲斐のある種へと進化したようだ。

 だが、同居人が待ったをかける。

【やめろ! いい加減、体を返せ!】

 やれやれ、彼は短く唸って不満を露にする。

【落ち着け、お前がやろうとしていたことを代わりに、もっと効率良く済ませただけの話だろう?】

 本来なら感謝されるべきところだ。しかし、やはり同居人の抗議の声は止まない。

 まあ仕方ない、返せと言うなら返してやる。今はこの人間もどきの機嫌を損なうことだけは避けたい。一心同体の身である以上、あのメス蛇と戦うにはこれの協力が不可欠だ。この小僧が持つ特殊な力も有用な武器となる。

【良かろう、ならばとっとと、あの娘の元へ戻ってやれ】

「──くっ!?」

 膨張していた肉体が瞬く間に収縮し、元の姿へ戻る。空中でいきなりそんなことをされたものだからアサヒは地面に墜落した。

 当然のように無傷だったが、その場に蹲り、歯軋りしながら問いかける。

「どうするんだよ、これ……」

 このまま帰れと言うのか? さっきまで着ていた服は破れて燃え尽き全裸になってしまっていた。

 そこへ友之達の呼び声が聴こえて来て、慌てて叫ぶ。

「ちょっと待って!?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る