三十四章 白い兎の行く先は
目が覚めると随分と頭がスッキリとしていた。
むくり、と要舞が寝台から起き上がる。
まだ眠いのか視界がぼんやりとしていた。
昨日のアレはなんだったのかな。
要舞が首を傾げる。
眠い頭を動かして考えてはみたけれど、よく覚えていなかった。
でも、とても絶望感に襲われていた気はする。
もしかしたら夢だったのかもしれない。
でも、心のズキズキとした想いは消えていなかった。
部屋に掛かった鏡で己の顔を見てみれば、泣いていたのか涙の跡の様なモノが頬を伝っている。
随分と疲れきった顔をしていた。
「うわ、酷い顔……」
思わず声が零れる。
そういえば、前にもこんな風に泣いて寝落ちをしてしまった事があったような気がした。
あれは、いつだったかなぁ。
どうしても眠気が覚めなくて、ぼう、と天井を見上げる。
窓の外はまだ朝を迎えていなかった。
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