十二章 シンデレラはガラスの靴を残さず

あれから二日が経った。

リメがいなくなって二日。海彩 子音がいなくなって二日。

あの日、三人で急いでリメを探した。でも、何処にも彼女の姿も彼の元の姿もなかった。

ただ、寮の寝台の上、子音の布団の上に一枚の紙が置いてあった。

『ごめんなさい、大切な人に会いに行きます』

そう、可愛らしく小さい字で綴られていた。

オレンジ色の空は、先程の雨を感じさせないほどに晴れ渡り、窓から光が差し込んでいた。

「どこに行ったんだろーな……」

標が窓の外を眺めながら肘を付く。

空は青く澄み渡り、鳥が羽ばたいていた。

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