シンデレラはガラスの靴を残さず2

ある放課後。他の生徒にバレないようにこそこそと風鴉栄斗かざがらすえいとは温室へと向かっていた。本当は生徒会の仕事が立て込んで居たけれど、少し早めに抜けてきて、珍しく他の人に任せてある。

だって、今日は待ちに待ったエンジェフラワーと遊ぶ約束をしていた日だった。毎日彼女に会えることを楽しみにしていた。

魔法少女になったらいつも一緒に居るんじゃないかと思うかもしれない。でも、そうもいかない。

向こうは分からないけれど、栄斗は生徒会で会計をしていることもあってとても忙しい生活を送っていた。

そんな忙しい栄斗にエンジェフラワーが提案をしたのだ。

『毎日じゃぁエイトちゃんが大変ですからぁ、良かったら会う曜日を決めません?』

それが今日、金曜日だった。

金曜日の放課後、魔法少女になってエンジェフラワーと会う。

これが栄斗にとって、魔法少女エイトにとっての学校生活での喜びとなっていた。

この間は麻雀を教えて貰ったからそれの続きだろうか。

嬉しくて胸が高鳴った。

手に持った指揮杖を高く振り上げる。

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