十章 シリウスは幻を生みだす
夜空に光る星一つ
青い光が少年に降り注ぐ
光はまるで
春のように暖かくて
知らない世界だ
彼は言う
愛してると
そんな言葉は知らなかった
今まで聞いたことも無い言葉
少年は思わず雨を零す
零れた雨は
星が全部貰ってくれると
そっと光で少年が包み込んだ
その日
少年は
生まれて初めて
報われたのだ
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