その花は枯れを知らず9

「これは………一体………?」

普段は着ないであろう女の子らしい服。

ふわふわとした可憐な服に身を包まれた自分に照れくささを覚える。

そんな困惑している彼女をよそにメリルがゆうきこと、ユキの手を取った。

「おめでとう!今日からキミも可愛い可愛い魔法少女だよ☆」

その言葉にユキが首を傾げる。

「僕…が、魔法……少…女………?」

思わず零れ落ちた声。その言葉にメリルはにこり、と微笑んだ。

「そう、魔法少女だよ☆皆で一緒に幸せになろうね!」

そう、穏やかに微笑む彼女に何故か分からないが背筋が寒くなった気がした。

メリルがドリームイーターを見上げる。

「ねぇ、ユキちゃん☆まずはアレを倒そうか?」

ドリームイーターを指せばユキの方を向いて首を傾げる。

「は、はい!でも、どうやって……」

倒せるか不安になった。

己は魔法少女になったばかりだし、何より自分に何が出来るのか分からない。

不安な気持ちがユキを襲う。

そんなユキにメリルが笑いかけた。

「大丈夫だよ、ユキちゃん!今回のドリームイーターの属性は火なの!だから、キミは火のドリームイーターの弱点の水の魔法少女だよ☆そして特殊能力が身体強化って感じかな!後の戦いは君次第だよ☆」

頑張って、とドリームイーターの方へと背中を押された。

「え、あ、は、はい。頑張ります」

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