流れ星は夢をみるか?3

「さて、ここがどこか説明するね」

シモンがゆうきの手を引きながら空間を歩き回る。

どこが上か下かも分からないのに歩けるなんて凄いなぁと、感心する。

きっと己一人だったらその場から歩けなかっただろう。

もしかしたら、そのままこの宇宙に吸い込まれていたかもしれない。

尊敬するかのようにじ、っとシモンを見つめた。

「ちょっと、見すぎ。恥ずかしい」

見つめられて照れたのか、ほんのりと紅く頬を染めて顔を顰めた。

手の甲で口許を隠す。

「すみません、つい。凄いなって思って…それに、お顔がお綺麗だなと」

美人さんですね。

思わずゆうきの口から本音が漏れた。

その言葉にますます顔を紅くさせるシモン。

ぺちぺち、とゆうきの手を繋いだ方とは反対の手で己の頬を叩く。

可愛らしいなと思わず頬を緩めた。

「ほ、ほら、ボクの事はいいから説明させて!」

ゆうきから手を離し、己の髪を掴み顔を隠す。

そんな姿を穏やかに微笑んで見つめた。

「もう…ゆうきは…」

やめてくれよ、とゆうきを軽く睨みつける。

そんな彼女の手を再び握り締めた。

ぎゅ、と彼女の手を強く握り締めると笑顔を作る。

「お願いします、シモンくん」 

教えてください。

そう言いながら、彼女のくりくりとした瞳を楽しそうに見つめた。

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