ひとりぼっちの異世界転生!?

ひとりごはん

第1話 私は異世界転生した

 目が覚めるとそこは見知らぬ場所だった。


 まず聞こえてくるのは鳥の声とおぼしきピーピー、チュンチュン。まぶたを開くと木の葉の緑が目に飛び込んでくる。肌が剥き出しの部分が草でチクチクした。森の中?とにかく周囲には自然物しかない。


 ショックのためか、私の頭はしばらく機能を停止した。あまりの違和感に、そう感じることもなく仰向けのままでボーとしていた。


 そして突然、恐怖に駆られ跳ね起き、当てもなくふらふらと歩き出した。どこなんだ?何があった?

 なんだか泣きそうである。


 しばらくして、少し落ち着きを取り戻した私は(泣きやむと人は冷静になれるらしい)、こうなる前の記憶を思い出そうとするも、曖昧で判然としない。

 かなり酔って帰宅し、そのまま寝床へ入ったと思うのだが。


 しかしそうであれば、ここはいつもの七畳のワンルームでなければおかしい。明らかに周囲はジャングルで気温も暖かい。最新の記憶では冬手前だったはず。


 この異常なる事態に私は徐々に確信する。

 なんだなんだ、ついに選ばれたというわけか。これはもう、あの可能性しか残されてはいまい。ワクワク。


「どうやら異世界転生なるものをしてしまったらしいな」


 私はひとりごちた。そして顔面に張り付いた蜘蛛の糸を引き剥がす。

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