高貴な落伍者たちの優雅で思弁的な言い争い

わたし 「トミーさん? あなた……ペペですね?」

彼 「いいえ、私は無頼漢ぶらいかん。それから、ペペってわけじゃないんです。どちらかといえば……ファンファーレかな」

わたし 「ああ、なんてことだ。これはとんだ人違い。およそおそらくこの行為こうい、この上もなくゆるされざることですね?」

彼 「アイアム、なにがしかのストレンジャー」

わたし 「……ああ、もう……お得感とくかん天井てんじょうを教えてあげて……。り立つのは……まず、ソーリーでしょうな」

彼 「おい。その化粧げしょうを今すぐ落とせ」

わたし 「おっと、これは失礼、五里霧中ごりむちゅう。いわばハチャメチャな茶目ちゃめ。ここはひとつ、ワサビということで。ええ、ええ、それはもちろん、金魚きんぎょなど殺処分さつしょぶんしてやりますとも」

彼 「刑法発令けいほうはつれい。そんじょそこらのびーだま模様もよう目配めくばせするのはハイビーム」

わたし 「種明たねあかしの五年前。こらえて堪えて雪だるま。おぅ、その首なしの、おどろおどろしさなんたるや」

彼 「おどろくにはあたいしない、人生という名の建築現場けんちくげんば

わたし 「マイクロフォン片手に枕木まくらぎみ踏み」

彼 「ふむん?」

わたし 「どうぞ」

彼 「頭痛薬ずつうやくをひとコンテナぶんいただけますか?」

わたし 「ノンノン、兄に死なれた弟のことを考えてみろよ……」

彼 「ああ、ビックリ仰天ぎょうてんそっくり、ひっくり返ってギックリすると、かえって心が落ち着きます。これがいわゆる、心構こころがまえというやつですね」

わたし 「……おい、今、背後霊はいごれいが息したぞ?」

彼 「――パンデミック――!」

わたし 「ハハハッ、勝鬨カチドキモドキッ、ハハハハハッ」

彼 「……おつまみを……つか、そっとまみ上げ……そのまま、おさらに戻します……」

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