純情、サキュバス

茜カナコ

第1話

サキュバスのミモレは純情だった。

どのくらい純情なのかといえば、男子と手を繋げない。

サキュバスの仕事なんて以ての外だった。

「あんたこのままじゃサキュバス失格だよ」

姉さんにそう言われた。

「貴方、人間界で修行してきなさい」

「ふぇぇ、修行ですか?」

ミモレは情けない声を出して泣き出した。

「えぐぅ、修行なんて無理ですぅ」

「つべこべ言わないの。あんたもう16なのよ。そろそろ一人前になってもらわなきゃ困るんだ」

「へぅぅ」

「さあ、人間界での修行期間は一年。その間に1人でもモノにしたら合格だ」

「待って、姉さん!」

「ヘルズゲート、オープン」

こうしてミモレは人間界に送られることとなった。

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