新型コロナの行方と、これからの投資アイディアについて
清水啓哉
第1話 さあ、お金を稼ごう。
イギリスで新型コロナの変異種が蔓延し、その感染力の強さが世界的な話題になっている。
株式に投資をする者として、一番気になるのは、変異種にもワクチンが効くのかどうかだ。もしも、予防効果が失われようものなら、これから株式市場は大荒れになるだろう。早めに市場から脱出するか、或いは巣ごもり銘柄の比率を増やすなどの対策を講じておいた方が良い。
変異種関連の記事を読む限りは、変異種にもワクチンは効くとの見解が科学者の間で大勢を占めているようだ。だが、変異は時間とともに積み重なっていく。いつまで予防効果は保たれるのだろうか。果たして、withコロナの生活に終わりはあるのだろうか。
ここで、新型コロナの行く末を占うために、わたしが新型コロナに対して不可解に感じた点を2つ述べ、その分析を通じて、未来の予知を試みる。
まず1つ目。
新型コロナはコウモリ由来のウイルスだという点だ。
中国・武漢に生息するコウモリを宿主とするウイルスの中には新型コロナにとてもよく似たものがあることから、それが変異して人間に感染するようになってしまったと言われている。
この話のどこが不可解なのかというと、コウモリと人間の濃厚接触の機会は現代では昔と比べ遥かに少なくなっていると考えられるからだ。昔は、住宅の気密性が低くコウモリが屋内に忍び込んで巣を作ることはありふれたことだったし、旱魃が起これば食べられるモノは何でも食べたのだからコウモリを食べる人も多かったはずだ。食料に満ち溢れた現在では、中国の武漢であってもコウモリはゲテモノ料理の扱いである。
なぜ、コウモリと人間の接触回数が格段に減った現代で、新型コロナというコウモリ由来のウイルスが発生したのだろうか?
次に2つ目。
欧米の甚大な被害に比べ、東アジアの被害があまりにも小さい点だ。
これについてはマスク着用の有無が原因として挙げられているが、それだけでここまで大きな違いが生じるものなのか不思議に感じているのはわたしだけではないだろう。
では、これら2つの謎を解明しよう。
参考にするのは、ウォールストリートジャーナルの記事の一節。
『新型コロナ変異種、米当局は冷静な対応呼びかけ』と題された2020 年 12 月 21 日 付けの記事には次のように書かれている。
「ウイルスは頻繁に変異し、コロナウイルスのようなRNAウイルスは特に変異しやすいと指摘。ただタンパク質はあまり変異できないため、ワクチンの効果に影響を与える可能性は低いという。」
この記事が正しいかどうかはわからない。
ただ、この記事が正しいとすれば、先の2つの謎は解明される。
それではわたしの仮説を述べよう。
太古、中国・武漢のとある農村を想像してみる。
蝗害、或いは日照り不足で、その村は食糧難に襲われていた。
多くの村民は腹を満たそうとコウモリを取って食べた。
そして、感染した。コウモリ由来のコロナウイルスに。
それは感染力が強かった。その上、変異を重ねるごとにさらに感染力を高めていった。
疫病は瞬く間に東アジア全土に広がっていった。まだこの時代は東洋と西洋で往来が少なかったこともあり、アジア以外の地域は被害を免れることができた。
そして、アジアの人々の多くが感染し、抗体を手に入れた。ウイルスが変異しようと、抗体の効力は持続し、再感染するケースはごく稀だった。次第に感染者数は減少していき、遂にそのウイルスは地球上から消滅した。
だがこれは一度限りの出来事ではなかった。
飢饉は度々起き、飢餓に苦しむ者はコウモリを食べたのだから。
東アジアの歴史において、新型コロナの発生と消滅、パンデミックと集団免疫の獲得は何度も繰り返されてきたのだった。
パンデミックが起きるたびにたくさんの人が死んだ。そして、新型コロナに高い耐性を持つ免疫システムが選別されていった。新型コロナを生き抜いた者たちの子孫が現代の東アジアの人々であり、彼らにとってもはや新型コロナはインフルエンザと同程度の被害しかもたらさなくなっていた。
この仮説に基づけは、先の疑問は容易に解明される。
疑問1 なぜ、現代になって新型コロナが発生したのか?
回答 東アジアの歴史上、新型コロナの発生は何度も起こっており、それが現代でも起こっただけで、不思議に思う要素は何もない。
疑問2 なぜ、欧米の方が被害が大きいのか?
回答 新型コロナは欧米にとっては本当に新型のウイルスであったが、東アジアにとってはお馴染みのウイルスであり既に遺伝的な耐性をもっていたので被害が少なかった。
わたしはこの仮説以外にこれらの疑問にうまく答えるお話しを思いつくことができなかった。それゆえ、ここがわたしの知性の限界であり、わたしはこの仮説を信じることにする。
過去に何度も新型コロナの発生と消滅が繰り返されたのなら、今回のパンデミックも遅かれ早かれ終息するであろう。株式市場から降りる必要はない。むしろ、今はポストコロナを見据えてポートフォリオを組み直すべき段階である。コロナ騒動で大ダメージを受けた銘柄ほど、これからリカバリーによる株価上昇を狙えるであろう。
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