第2話 男の独り言
――男が入店する数分前――
『チェン、この店だ!この店にしろ!!』
「嫌だよ、
『そんなの知らん!我は、アヒルが喰いたい!!アヒルが喰えるのは、この村では、
酒が呑める大衆食堂の前でフードを被った男が一人でブツブツと喋っている
「・・・もう、わかった!わかったよ!!入る!入るから・・・座る席は、俺が決めるからな・・・!!」
周囲の客や店員に不審な目で見られながら、一番奥の人気のない端の席へと腰掛ける
「・・・ほら、見てみろ!俺の言った通り!!店の中は、チンピラとゴロツキしかいねーじゃねーか!!」
・・・だから
こんな
『・・・そうか・・・なら、絶滅させるか?』
「―――おっかないこと言うんじゃねーよ!アヒル食べたいんだろ?大人しくしてろよ!!」
「いらっしゃい~!お客さ~ん!!注文、何スル?」
スリットの入ったセクシーな衣装を着た
「オススメは~!今日、取れた
「・・・とりあえず、アヒルの肉を・・・」
『―――100人前!!』
「「・・・えっ!?」」
『アヒル肉を100人前、持って来い!!』
業者じゃねーんだから!
そんな量、頼める訳ないだろうが!!
「アハハハ~!!お客さん、冗談キツイネ~!!」
・・・ほら、みろ!
店員さんにバカにされたじゃねーか!!
「こんな、小さな、テーブルに、百人前は、乗らないヨ!!」
―――いや、そこ!?
注意する
「とりあえず、五十人前、持って来るから、待つヨロシ!!」
・・・オイ!
『良い
「・・・ちょ!・・・な、なに、するアルかーー!!」
「―――っ!!」
お尻を鷲掴みにされた
「・・・お、驚いたネ!ワタシの
イスの上から落とすどころか痛がる素振りも見せないチェンの強さに驚く
「・・・へへっ!・・・いやいや、そんな全然全然・・・!!店員さんは、武闘家ですか?」
「―――違うヨ!!美と健康の為にやってるだけネ!・・・料理、運ぶから待つヨロシ!!」
オーダーを取り終えた
「・・・
周りに気付かれないよう声を上げる
・・・まぁ
お尻の件に関しては、ありがとうだけど・・・
「早く飯食って、ここを出ようぜ・・・!!」
何か
このまま長居するとトラブルを巻き起こしてしまうかもしれないからな!!
「―――入れ墨を彫って貰うだけで体得できるんだよ!!」
・・・ん?
「その彫られた入れ墨の動物の力を授かり・・・」
・・・あのバカ2人!
どうなっても知らないぞ・・・
「・・・その伝説の彫り師をこの村で目撃したんだ!!」
―――な、なにぃぃぃーーー!!
『待ち焦がれたぞ!念願の情報だ!!』
「・・・た、確かに、有力な情報を持つ人物に出会えたけど・・・前回の過ちもある慎重にいこう!!」
高まる気持ちを抑えて冷静になる
『何を弱気な!拷問して吐かせるぞ!!』
「失敗を忘れたのか!?俺らに拷問は、無理だ!!」
料理を運ぶ、店員達が気味悪がるレベルでブツブツと一人で話し続ける
「―――その話、詳しく話すゲロ!!」
小太りでスキンヘッドの男が話しに割り込んで来る
『貴様がもたついてる間に先を越されたぞ!』
「・・・うるさいな!ちょっと黙ってろ!!」
・・・何だ、あの男は?
語尾に変なの付けやがって気持ち悪い!!
用心棒に囲まれ出したし、少し様子を見るか・・・
「亀じゃないゲコ!蛙ゲロ!!」
「―――なっ!?・・・用心棒らが一斉に倒された!!」
『食事中に汚ねー野郎だ!』
「どういう意味だよ・・・?」
『見ればわかるだろ!』
・・・何で説明しないんだよ!
情報は、共有した方が良いだろ!!
「・・・ん?」
騒ぎを聞き付けて料理人が止めに入って来たぞ!
『そろそろ動くか・・・』
「・・・な、何する気だよ?」
『一向にアヒル肉が来ない!』
「―――クレーム入れるつもりか!状況を考えろよ!!」
「「「―――ぎゃぁぁぁーーー!!!」」」
料理人が一撃で倒されて店内が大パニックに陥る
「に、逃げろ・・・!!」
「―――待つゲロ!!」
ジャクシが天井に着く程の長い舌を伸ばし出し、屋根を支える柱へ巻き付けて、逃げる男の首を舌で縛り上げて宙吊り状態にする
「・・・な、なんじゃ!あの舌は!!―――ビックリ人間か!?」
『阿呆!どう見ても
―――あぁぁぁーーー!!やっぱりか!!
どうして、毎度こんな目に巻き込まれるんだ!!
「さ~人間サンドバックの完成ゲロ~!伝説の彫り師の事を喋るまでコイツを殴り続ける!!殴られて死ぬのが先か窒息して死ぬのが先か・・・楽しみゲロ!!」
ジャクシが宙吊り状態のハゲ頭の腹を殴り付ける
『・・・良いのか?』
「・・・・・・何が?」
『あのハゲ、死ぬぞ!』
「―――わかってるよ!!」
『・・・?・・・何故、救わない』
「・・・こ、ここ、怖いんだよ!
『無駄な時間だ!無用な悩みを抱くな!!貴様には、我が憑いている!!我に身を任せろ!!』
「―――何分持つかな?」
ジャクシがハゲ頭を殴ろうと振りかぶる
『弱い者イジメは、止めろっ!!ガマガエル!!』
店の外まで響き渡る程の大声を上げる
「・・・誰ゲロ?」
怒りの籠った声で振り返る
「・・・お、お前が・・・言ったゲロか?」
「―――すいません!俺は、言ってません!言ってません!!」
両手を前に出して全力で否定する
・・・お、おまっ
―――ふざけんなよ!!
何しれっとガマガエルって悪口、言ってんだよ!!
「そうかそうか・・・!よ~く、わかった。」
・・・ふぅ~ 良かった!
誠意が伝わったみたいだな!!
「―――俺様をおちょくっていることがなっ!!」
助走なしの一足跳びで一気に距離を詰めて、右の拳で殴り掛かって来た
「―――ぐぅ!!」
咄嗟に両腕でジャクシの右ストレートを防ぐが殴られた衝撃を殺しきれずに壁へと激突し、威力そのまま壁を貫通し店外へと吹っ飛ばされる
「ゲ~ロゲロゲロ・・・!!粋がってた割りにその程度か!?」
あまりの手応えの無さにジャクシが高笑いを上げる
「・・・・・・!!」
殴り飛ばされたチェンが店の外で仰向けになって倒れ込む
優れた武闘家は、相手の拳を1発、受けただけで相手の実力が解るという!
今の一撃でわかったことが2つある!!
1つ目は、あの男の跳躍力は、凄いが・・・
跳んで殴り付けてきた分、上半身のみの力で殴り掛かってきたので見た目に対して威力は、差ほどない!
そして、もう1つは、俺の両手の中指は、ずっと突き立てていたこと!!
「―――
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