おまけ② 白魔真冬


 風魔迅兎が対戦した相手。よりにもよって殺し合いの競技に現れてしまった恐るべき人型兵器。

 基本的なスペックが軒並み化け物じみている上に凶悪な異能・技能を複数所持していた。外見に惑わされることなき忍びの男でも全力で挑み完全に敗北を喫してしまうほどには強大だったといえる。

 忍者風魔としての本領(諜報隠密による情報資料の収集)が事前に及んでいればそれなりの対策は練れていただろうが、そもそも迅兎の保有する手札では火力が足りず殺し切るに至れていたかは怪しい。やはり毒殺がもっとも可能性があったか。


 似たような姓を持っていたが故に作中で、


 瞬間、夜闇に消える二つの影。

 片や忍者、風の魔。

 片や兵器、白の魔。


 とか書いたけど白の魔ってなんだよと後になって思いました。でも中二心が抑えられなかったんじゃぁ…。

 でも『疾風の如く魔を討つもの』に対しての『白雪の如き魔を狩るもの』みたいな感じならワンチャン通るんじゃないかな?無理かな?

 敗北したあとしばらく迅兎の落ち込みっぷりが半端じゃなかったとか。

 アルが闘いたがっていた相手のひとり。






 迅「申し訳ない…申し訳…」

 カ「気にする事はない。私も似たようなものだ」

 楓『というか勝てる者の方が少ないのでは?わたくしなら、風精の力全て使ってなんとか勝てるかもですが』

 迅「はい…。可能性があるとすれば楓迦殿。それと旭殿、アル殿、カナ殿辺りかと」

 カ「私もか」

 迅「カナ殿の膂力はおそらく白魔殿を超えると思われます。純粋な力比べに分がある上にその駿足であればあるいは…と」

 カ「なるほど。しかしそれも都市伝説の怪異が他の世界にも通じれば…の場合に限られるがな」

 迅「真っ向からの衝突で勝機があるのはカナ殿のみですが、旭殿は退魔師として多くの特効術式を保有しておられますので…」

 楓『人型兵器とやらに刺さる術法も模索、あるいは戦闘の最中に開発できたかも……ということですね。アルも同じ理由で?』

 迅「その通りです。アル殿は武装生成において伝承や史実に基づいた性能を模倣できます。『凶悪な人ならざるものを屠った』とされる逸話の武器でなら痛手を与えられるやも、と」

 楓『それは彼にそんな頭脳と余裕と思考があればの話ですよね?』

 カ「…………(気難しい沈黙)」

 迅「…………(気不味い沈黙)」

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