二戦目

ダイスロール


「もう絶対に行かないわ」


 開口一番、音々はキッパリそう言い放った。

「まー全ては運次第だからなー。ほれ次回そうぜェ」

 皆が何があったのかと事情を聞いている中で、アルは機嫌良く白埜にサイコロを手渡していた。大方普段から仲の悪い音々が酷い目に遭ってきたのを楽しんでいるのだろうと、旭は呆れた様子で肩を竦めた。

「……てい」

 一度目と同じく両手で放ったサイコロは壁際まで転がってくるりと一回転。6の目を出した。

「…僕ですね」

「なんかよくわからない因果に引っ張られてないこの出目」

 先程まで忍びの里でえらい目に遭っていた音々は信じられないものを見るようにサイコロを見下ろしていた。

「ってか大風精サマはどこ行ったのよ。飽きて帰った?」

「いや、違うチーム?の勝負に呼ばれて行ったよ」

「ああ、そういうパターンもあるのね…」

 こちらの出目だけではない。別世界の対戦相手がこちらの誰かしらを引き当てることもあるのだ。音々はげっそりしていた。

「とりあえず行って参ります」

「うん。気をつけて。音々の様子から見るに下手したら人外魔境に出る可能性もありそうになってきたからほんとに用心していこう」

「気をつけなさいよ忍者!いやマジで!鬼が出ても蛇が出てもおかしくないから!」

「そんなヤバかったの…?」

 隣でレンがドン引く中、力説する音々の声に後押しされる形で風魔迅兎は姿を消した。


「わはは面白ェじゃん。早くオレの番来ねェかな」

「アンタも行けば分かるわよ。外れ引いたら酷いから」

「私も途端に行きたくなくなったのだが」

「僕も正直……」

「駄目よアンタらは絶対行きなさいこの感情を同盟皆で共有しましょ」

「「えぇ…」」

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