プレミス【死か降伏か】編
【エクササイズ】
■ 主人公は誰?
京都で呉服屋を営む町人の青年。
■ 主人公は平凡か、非凡か?
非凡です。英語、フランス語、オランダ語、中国語と母国語を合わせ、五か国語を自在に操る語学の天才。剣術とピストールの腕にも長け、中性めいた美貌の持ち主。
■ 冒頭で主人公はどんなシチュエーションにいるか?
江戸から京都に上京し、島原などの女性向けに市場の二割安で反物を売る、薄利多売の地味な呉服屋の若き店主。
■ 冒頭での主人公の状態は?
壬生浪士組の芹沢鴨に袖の下を強要されるが断固拒否。刀を抜いた壬生浪士組との斬り合いに。主人公は脇差一本で浪士等をメッタ斬り。芹沢鴨にも刀を向けるが、沖田総司に阻まれた。
■ 主人公または敵対勢力によって、それはどう変わっていくか?
壬生浪士組の近藤勇は会津藩主から、強請や狼藉で悪名高い芹沢鴨粛清の命を秘密裏に要請される。芹沢に手を焼いていた土方歳三は、まるで呉服屋の主人公に芹沢粛清の口実を与えられたかのような感覚に陥る。
■ 主人公が置かれたシチュエーションは平凡か、奇抜か?
町人が武士に向けて刀を抜いただけでも非凡。主人公は佐幕派の壬生浪士組の手助けをしたかと思えば、討幕派の坂本竜馬とも密会する。奇抜というより謎深い青年。
■ 主人公の目的は?
連載の現段階では不明。
■ メインの敵対者は誰? 人物でなければ何と敵対する?
新撰組の土方歳三。
■ 「普通の世界」にいる主人公が葛藤や対立を体験し始めるのは、どんな災難が起きるからか?
佐幕派先鋭水戸藩出身の久藤佑輔は、まだ十五歳の前髪ながらも、恋い慕う主人公の守り抜くため、将軍への拝謁も許される水戸藩附家老の名家の三男という出自を捨て去り、主人公と町人暮らしを続けている。
討幕派と佐幕派の対立が激化の一途をたどる中、主人公は内心の懊悩を深めていく。
■ その災難に対する主人公のリアクションは、どんな葛藤と対立を生むか?
討幕派でも佐幕派でもない立ち位置を崩さない主人公の動向は、久藤佑輔や土方歳三の疑念を膨らませていく。
■ その葛藤と対立はすんなり解決せず、ストーリー全体を通して続く。その理由は?
主人公の言動は、すべて久藤佑輔への深い愛情に根差している。しかし、所詮は出自も知れない孤児だった自分と、水戸藩附家老家の御曹司。どんなに思いはひとつでも、いつかは道を分かつ宿命にあることを、主人公は達観している。衆道、身分差など、二人の間にそびえたつ壁は越えられないと思っている。
その壁は本当に越えられないのか読者に問うため、主人公の葛藤はストーリー全体を通して続いていく。
■ このアイデアに説得力はあるか?
いくら恋しい人と生活をともにする為とはいえ、附家老家の御曹司の長屋暮らし……???となる読者を生じることは、やむを得ないと思っている。
■ このアイデアに独自性はあるか?
BLというより男色と表現した方がしっくりくる時代性を反映させた点においては、癒しを主流にしているBLの流行ものとは一線を画している。
■ 他の類似したストーリーとの違いは?
文体。
■ どうすれば独自性を高められるか?
近藤勇、土方歳三や沖田総司、坂本竜馬など、幕末オールスターズの普遍的なイメージを若干崩した。崩し過ぎると、実在の人物像とのギャップと違和感を増幅させてしまうので、絶妙な塩梅を狙って崩すこと。
■ ストーリーの焦点は?
主人公が何を目的として佐幕派、討幕派の間で暗躍するのか。
■ ジャンルは?
BL
■ 読者層は?
漢字がたくさん使われるので、二十代後半から四十代ぐらいまで。何となくです。低年齢でも高年齢でも、漢字だらけだと読むのが面倒臭いと思われてしまうかも。
■ 質問への答えを見ながら、プレミスとしてひとつの文にまとめて下さい。
あなたのストーリーのプレミス(ひとつかふたつの文で表して下さい)。
「彼等に残された選択肢は、ふたつだけ。DEATH OR SURERENDER(死か降伏か)」
以上です。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
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