第13話 真夜中の侵入者


 獣に出会ってしまったときにやってはいけないことがある。

 悲鳴をあげること。背を向けて逃げること。


 病んでる男性にはどう対応するのが正解なのかしら。


「こんばんはセティウス。退院なさったのね」


「……」


 この状況はよくない。

 まさか部屋の窓から侵入してくるなんて。

 正直なところ恐怖を感じるけれど、それを相手に悟らせないようにしなければ。


「三階まで登ってくるなんて。風の魔法かしら」


「……」


「窓の下にも警護の騎士がいるはずだけど」


「普通に寝てたよ」


 よしクビにしよう。


「ああ、それと今叫んでも無駄だから。部屋に防音と防振、二種類の結界を施してる」


「……」


 部屋の外にはレオがいるはずだけど、大声や物音に気づいて部屋に入ってくるということはないわけね。

 ということは部屋から直接出て助けを呼ばなければ来ないということ。

 その考えを読んだかのように、セティは扉を背にするように移動した。

 その口元には笑み。


「無駄だよ。逃げられない。さあどうしようか」


「わたくしを殺しに来たのかしら」


 殺されるのは嫌だわ。

 たとえ憎いと思っていても、私を殺してなんの感情も抱かないとは思えない。

 新たな傷になってしまう。


「心情的にはそうしたい気持ちもあるけどね。あんたがいなくなって大陸が瘴気まみれになったら、なんのためにあの方が一生をかけて……」


 そこで彼が黙る。

 ミリアが生涯かけて浄化し続けたものを自分の手で壊したくはないのね。

 今のところミリアに関してだけだけど、彼は優しさを忘れていないし心底壊れているわけでもない。


「セティウス。あなたの大切なものを勝手に消してしまってごめんなさい」


「ごめんで済めば衛兵も牢獄もいらない」


「ではわたくしにできる償いは?」


「ないよ。あえて言うならあんたの苦しむ姿が見たい。傷ついて泣く顔が見たい」


 語るほどに緑の瞳に怒りが増していく。

 やっぱり強引すぎたわ。彼を傷つけてしまった。

 

「ああそうだ、あんたを今ここで辱めてやろうか」


「……!」


 ぎくりと体が強張る。

 私の中に隠しきれない恐怖を見つけたセティは、残忍な笑みを浮かべながら一歩私に近づいた。

 薄手の夜着が、ひどく頼りなく感じる。


「あんたを滅茶苦茶にすれば僕の気も少しは晴れるかもしれない。償いをしたいんでしょ?」


 さらに一歩、近づく。

 彼は恐怖をあおるためにわざと少しずつ近づいてきている。

 怖がっている顔を見せてはだめ……!


「そんなことをしたら聖なる力が……」


「純潔を失ったら聖なる力が消えるとでも? そんなキモいじじいがつくったような理論を信じてるんだ。バカだねあんた」


「な、なにを根拠に」


「前の聖女はちょこちょこ警護の騎士を部屋に引っ張り込んでたよ。レオなんかは断り続けてたけど」


 知らなかった。

 結婚はダメというから、てっきり……。

 そういえばピンク髭もそんなことを言っていたような、いないような。

 それにしても、この場をなんとかしないと。

 えーとえーと。


「あなたはわたくしのことが好きなんですの?」


「はぁ? 何寝ぼけたこと言ってるんだ。大嫌いに決まってるだろ」


「嫌いながらも好みのタイプとか」


「だから図々しいんだよ。どんだけ自信があるんだ。人形みたいに整った女は好みじゃない。僕の好みはあの方のような年上のちょいブス巨乳だ」


 誰がちょいブスよ! 大好きなミリア様に対して失礼すぎない!?

 なんか腹立つ!

 あ、腹が立ったらちょっと落ち着いてきた!


「じゃあわたくしにいやらしいことをしたい理由はなんですの」


「いやら……傷つけたいからだよ」


「傷つけたいと言いながらもそういうことをしようとするのは、やはり好みのタイプなのでしょう?」


「しつこい。男は好きじゃなくてもできるんだよ。いい加減黙れ萎える」


 よしよし。

 セティのペースが崩れてきた。

 今のセティに誠心誠意謝ろうが何も響かない。

 ならとことん憎まれてやるわ。


「まずあなたは勘違いしているわ、セティウス」


「何がだよ」


「その不健康な体でわたくしをどうこうできるとでも?」


「あっちはまだ元気だけど」


「なんのお話かわかりませんが、いくら魔力が高くてもそんな虚弱体質でわたくしに勝つことはできませんわ」


「へぇ?」


 口元は笑っているけれど、明らかにいらついている。


「たしかに聖なる力は魔法に対しては絶大な防御力を持ってる。僕とは相性がよくないだろう。その一方で聖なる力も光属性も攻撃魔法はない」


「そうですわね」


「物理攻撃にも弱い。ほんの一瞬、障壁を張れる程度だろう。それでどう僕に勝つって? その細腕でぶん殴るの?」


「こうやって、ですわ」


 私は両手を前に突き出し、聖なる力で障壁を発生させた。

 ほぼ透明な半球体のそれを、勢いよくセティにぶつける。


「ぶっ!」


 障壁による攻撃をもろにくらって、セティが後ろにはじきとばされた。


「わたくしの聖なる壁による攻撃はいかがかしら。聖なる壁で直接ドーンと攻撃、略してかべどんですわ」


「ふざけやがって」


 いらだちをあらわにしながら、セティが炎の玉を私に向かって投げつけてくる。

 火事になったら困るからやめてよね。

 私は手をふってその火球を消す。その間に、セティが距離をつめていた。

 私に向かって手をのばし――


「壁どん」


「ぐはっ!」


「壁どん壁どん壁どん」


「くっ、このっ……!」


「壁どんゆかどん床どん」


 床から障壁を出す床どんもなかなか効果的ね。

 セティがゴロンゴロンと部屋の中を転がっていくわ。

  

 セティはというと、床に手をついてぜえぜえ言っている。

 さすが虚弱体質。

 睡眠も食事もまともにとらないんじゃあ、体力もないわよね。

 ましてや腕を一本失っていたんだもの。貧血もひどいはずよ。


 とそこで、ノックの音が響いた。

 外から「聖女様お変わりありませんか?」とレオの声がする。

 騎士が夜中に用もなくノックすることはない。

 ということは、この危機をかぎつけたの?

 防音と防振の結界をはっているとのことだったし、レオには魔力の感知能力がないのになぜ。


「結界を解いたの? もしくは解けたの?」


「んなわけないだろ……」


 ぜえぜえと答えるセティ。

 さすが魔力の高い子だわ。同時に魔法を使ったりゴロンゴロン転がされたりしても、二種類の結界を維持できるなんて。

 結界自体、かなり高度な魔法なのだけど。


「防音結界って外からの音は聞こえるものなのね」


 なかなか便利ね。

 聖なる力で似たようなものを作れるかも。今度試してみよう。


 もう一度、ノックと私を呼ぶ声。

 さてどうしよう。

 このまま返事をしないと、おそらく異常事態だと判断してレオが踏み込んでくる。

 そうなれば、セティは重い罪に問われる。

 けれど、防音結界が張ってあるから部屋の中から返事をしても聞こえない。

 ちょっとだけ解いてと言ってもセティは解かないでしょうね。

 なら。


「そのまま動かないで」


「……」


 私は少しだけドアを開け、するりと外に出た。

 レオがぎょっとする。


「聖女様……!? わざわざ外に出ていらっしゃらなくても」


「……ああ、ごめんなさい。少し寝ぼけたみたい。わたくしを呼びましたか?」


「ええ、まあ。何か嫌な感じがして……変わりありませんか?」


 嫌な感じ?

 すごいわね、野生の勘かしら。


「特に何もありませんわ」


「そうですか。起こしてしまって大変申し訳ありません」


「いいえ。夜中までお疲れ様です」


「お早く部屋に入ってください。目に毒です」


 そういえば薄手の夜着だった。男性に見せるような姿じゃないわね。


「はしたない姿を見せてしまいましたわね。じゃあおやすみなさい」


「おやすみなさいませ」


 レオが少し離れたのを見届けて、極力ドアを開けないよう部屋の中に入る。

 セティはまだそこにいた。

 ふてくされたような顔で座り込んでいる。


「今日は時間切れのようですわね」


「……なんのつもりだ」


「何がです」


「なぜ僕の存在をレオに知らせなかった」


「そうね。レオ助けてと言えばあなたは捕まったでしょう」


「……」


「でもそうしたらレオが苦しむわ。あなたのこと弟のようなものだと言っていたもの」


「! ふん、くだらない」


「それに」


 座ったままのセティの前に立って、腰を曲げる。

 彼のあごに手をかけると、彼はちいさく身じろいだ。


「ここで捕まっては楽しくないわ。わたくしは退屈なの。その栄養失調と睡眠不足をどうかして、もう少し強くなってからまたいらっしゃいな。遊んで差し上げますわ」


「馬鹿にするな!」


 セティが私の手を振り払う。

 こんな方法でしか、今は彼のやる気を引き出せないけど。

 健康になれば、精神も安定してくるかもしれない。

 精神に悪影響を及ぼしていたと思われる魔力の淀みも消えたことだし。

 だから、私を憎んでもいいから、ちゃんと食べて眠ってほしい。


 セティが立ち上がる。

 立ち眩みなのか、ふらついた。

 やっぱり貧血がひどいのね。


「おぼえとけよ、悪女め」


 そう言い放って、彼は窓から飛び降りた。

 悪女……。

 初めて言われた。ちょっとうれしい。


 それからしばらくして、扉の外が少し騒がしくなった。

 もしかして、セティが捕まった……!?

 気になって扉越しに「何かありましたか」と尋ねる。


「起こしてしまい申し訳ありません」


 その声はランス卿のものだった。


「セティウスが病院から脱走したようで……何事もございませんでしたか」


「ええ。何も問題ありません」


「今夜は私も見回りします。何かあったらすぐに声をおかけください」


「わかりました。ありがとう」


 ランス卿の足音が遠ざかったことを確認してから、私は窓を開け、小さな飾り玉を居眠り騎士に投げつけた。

 驚いて騎士が立ち上がる。

 寝てるところをランス卿に見つかればただではすまない。

 クビにしてやろうかと思っていたけど、まだ居眠り騎士には役に立ってもわらなくては……。



 翌日。

 私はランス卿に会いに神聖騎士団詰所の団長室へと足を運んだ。

 お茶を出してくれた付き人が下がると、ランス卿が話を切り出した。


「わざわざお越しいただき申し訳ありません。セティウスのことでしょうか」


「ええ」


「扉の外の警護はレオともう一人に任せるとして、窓の外の警護も増やし、見回りもします。どうかご安心ください」


「そのことなのですが。警備は今まで通りの体制でお願いしたいのです」


「人を増やすなと? その理由は?」


「人が多いと気になりますし……」


 理由としては苦しい。

 ランス卿の優しげな瞳に、厳しい光が宿る。


「それが理由とは思えませんが」


「いいえ。わたくしは神経質なのです。周囲にぞろぞろ男性がいると思うと眠れません」


「危険人物がうろついているのに警備が甘いほうが眠れないかと存じますが。聖印がなくなったセティウスの魔力は危険です」

                                   

「魔力ならわたくしが封じられます」


「今は弱っているとはいえ、騎士の男です。魔力を封じたとて攻撃手段のない聖女様には危険です。聖女様を恨んでいるのですから、何をしでかすかわかりません」


 どうあっても納得しないみたいね。

 これでそうですかと引き下がるようなら神聖騎士団長は務まらないのでしょうけれど。

 でもセティにはまた会わなければいけない。あれではまだ足りない。

 セティは城壁内のどこかにはいるのだろうけど、場所がわからないから会いにも行けないし、どうしたら。


「聖女様。もしやセティウスに……お会いになりましたか?」


 ぎくりと体が強張る。

 今までの会話でわかったというの?

 カマをかけただけ?

 いずれにしろ、動揺を見抜かれてしまったかもしれない。


「なぜそんなことを?」


「お会いになったのですね」


 これ以上の誤魔化しは通用しなさそう。

 情けないことに嘘をつくのが下手なのよね、私。

 正直に話さないと、警備を緩いままにしておくというのは納得してもらえないわね。


「ええ」


「警備を気にされるということは……まさか部屋に侵入してきた? レオがいる扉からということはないから、窓からですか」


「そうですわね」


 さすがに鋭い。ランス卿は頭もいいのよね。

 彼が腰を浮かせる。


「お待ちになって。今セティウスを罰するのはわたくしが許しません。裁判でもわたくしの部屋に侵入していないと証言します」


「なぜ……!」


「何もされていませんからご安心下さい。逆にわたくしが叩きのめしました」


「叩き……馬鹿な」


 言ってから、ランス卿が口元をおさえる。

 丁寧な口調のランス卿が聖女にそんなことを言ってしまうなんて、かなり動揺しているのね。


「強い騎士には通じないでしょうが、セティウスが弱っている間はわたくしにまだ分があります」


「それが本当だとしても。警備を強化するなということは、また侵入させるおつもりですか!?」


「彼には今、恨みであっても感情をぶつける人間が必要です」


「なぜあなたがそこまでして! ここ数年あいつはまともではありません! 御身に何かあったら……!」


「彼の精神が蝕まれたのは、魔力の淀みのせいが大きいのです。それが解消された今、徐々に心も落ち着いてくるはずです」


 ランス卿が首を振る。


「そんな予想を信用して聖女様を危険にさらすことはできません」


 彼の表情が、氷のように冷たいものになる。

 これはまずいわ。

 裁判で私が証言しないならと、裁判にかけることもなく自らの手で危険の芽を摘もうとしているのかもしれない。


「もしあなたがセティウスに何かするなら、わたくしはもう浄化の力を使いません。殺すのはもちろんのこと、どこかに閉じ込めるのも駄目です」


 ランス卿は頭痛がするとばかりに頭を押さえた。


「病院でも不思議だった。あなたはなぜそこまでセティウスにこだわるのか。理由をお教え下さい」


「一目ぼれです」


「真面目な理由をお教えください」


「今はやつれていますがきれいな顔をしていますし」


「聖女様」


 やっぱり一目ぼれじゃダメかぁ。

 彼は並大抵の理由では納得はしないでしょうね。

 でも今セティを遠ざけたり閉じ込めたりしてしまえば、セティは私への怒りを消化できず聖印への執着も引きずってしまう。

 たしかに魔力の淀みがなくなって精神への悪影響はなくなったでしょうけど、それだけでは駄目。

 感情をさらけ出させて発散させないと、長年溜まった心の澱は消えない。


 仕方がない。

 できればこれは避けたかったけれど、ランス卿は信用できる人だし、今はセティのことが何よりも優先だわ。


「セティは生育環境のせいだと思いますが、閉じ込められることをひどく嫌い恐れます。閉じ込めてしまえば、おそらく負の感情が悪化するでしょう」


「……? 聖女様……?」


はあの子に対して責任があるし、償わなくてはなりません。せめてもう少し大きくなるまで一緒にいられれば、ここまで不安定な子にならなかったはずなのに、それもできなかった。引き取ったことでかえって傷つけてしまいました。そしてその後の人生を滅茶苦茶にしてしまった」


「聖女様、何を」


「さらに強引に聖印を消しまた傷つけた。けれどそれに関しては後悔はありません。そうしなければセティは死んでいましたから」


「まさか」


「あの子が立ち直るチャンスが今なのです。そして今を逃せばおそらくもう次はありません。私はセティに幸せに生きてほしい。それだけです。聖女であるこの身を賭けるのは身勝手だと思われても、私は引く気はありません」


「そんなはずはない。けれどまさか……」


「あの子のことは私のほうが詳しいんですよ、ランス卿。二年半程度ですが、ほぼ毎日一緒にいましたから。あの子に殺意はありませんし、そもそも悪い子じゃありません。うまく立ち回ってみせます」


「あなたはまさか……ミリア様……? いやそんなことはありえない」


 私は人差し指を口にあてる。


「信じても信じなくても構いません。でもレオとセティには決して言わないで。特にセティには。たとえ一時の救いになっても、その執着からまた抜け出せなくなりますから。二人には、ミリアを忘れてほしいのです」


 ランス卿は立ち上がり、ふらふらと近づいてきた。

 そして私の側で膝をつく。


「本当に……本当にミリア様なのですか。なぜこんなことが」


「私にもわかりません。ある時前世を思い出したのです」


「今日の口調はいつもと少し違いますね」


「ミリアと印象がかぶらないように、普段はあえて貴族のお嬢様らしい話し方をしていますから」


「あなたがミリア様だったとわかった以上、私としてはなおさらあなたを危険にさらしたくないのですが」


 ランス卿の顔が切なげに歪む。

 いつも冷静だった彼がこんな表情をすることに驚いた。


「いずれにしろ私はセティと向き合います。それは譲れません」


「優しげなのに頑固なところは変わりませんね」


 呆れたように言いながらも、その声音はどこか優しい。

 昔彼に対して抱いていた気持ちを、少し思い出す。

 ランス卿と特別に関りがあったわけではないのだけど、彼に対して恋とは言えないほどの淡い憧れを抱いていたと思う。

 かっこよかったし。今も素敵だけど。


「あなたに危険な真似をしてほしくないのですが、頑固なので仕方がありません」


 そんなに頑固頑固言わなくても。

 彼は立ち上がると、デスクの引き出しから何かを取り出した。


「こちらをお持ち下さい」


 そう言って彼が差し出したのは、青と白のマーブル模様の小さな石だった。


「これは双子の魔石です。もう一つは私が持っています。これを握りしめながら魔力を注入するかどこかにぶつけて叩き壊すかすれば、私が持つ片割れの石が鳴って危険を知らせてくれます」


 危険を知らせたらランス卿が駆けつけてくれるということね。

 ランス卿が私の手をとって、石を握らせる。

 長年剣を握ってきたごつごつとした手は、動揺のためか小さく震えていた。


「わかりました。小さな穴が開いているようですし、アクセサリーとして身に着けます」


「何かあったら躊躇わず助けを呼ぶと約束してください。これが私ができる最大限の譲歩です。何かあってもいきなりセティウスを斬り捨てたりはいたしませんので、どうか」


 真剣な瞳が、不安そうに揺れている。

 彼がこんな顔をするなんて。


「約束します」


「本当ですね」


「ええ、必ず呼ぶと誓います。では、私はそろそろ失礼しますね。色々と心配や手間をかけてしまって申し訳ありません」


「手間はともかく心配はかけないでいただけると助かるのですが。白髪が増えそうです」


「白髪が増えても変わらず素敵ですわ」


 言ってから、はっとする。

 私ったらなんてことを。

 ランス卿は少し照れたように頭をかいた。


「えっと、では本当に失礼します」


「ご足労いただきありがとうございました」


 私はランス卿から視線をそらしながら、逃げるように団長室を後にした。

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