第5話、バッファロー

本格的にハンティング開始だ。

機械獣はセンサーで探査できるし、サーモセンサーで獣も感知できる。


ただし、ノルンのパルス銃は獣には向かない。


「ノルン、右1時の方向に機械獣だ」


「はい!」


正面に獣の反応もあるが、機械獣を優先する。


バシュッ!


センサー同期のパルス銃で外すことは少ない。

スラリンにメタルパンサーを吸収させる。


「次は獣、多分バッファローだ。俺がやる」


「はい」


バッファローは大型の野生牛だ。

ギリギリまで近づき、ショックガンで仕留める。


その場で血抜きし、解体する。

残骸は放置しておけば獲物寄せとなる。


「スラリン、吸収するか?」


「血だけでいいです」


倒したときに、スラリンの体から触手のようなものが伸びて血抜きしてくれたのだ。


大量の肉が手に入ったので、一度ハウスユニットに戻り、メイドロボのエルダに保管させる。


そうしておいてさっきの場所に戻ると、ハイエナが3頭たかっていた。

これもショックガンで仕留め、町に戻って売った。

ハイエナといえど、貴重な肉なのだ。

それに、バッファローの皮も売り物になる。


もう一度戻ってジャガーを仕留める。

これも、いい獲物だ。

難なく仕留めて町へ向かう途中、新型が現れた。


「ノルン、右3時の方向に新型だ」


「はい!」


バシュッ!


「は、外れました」


「命中して平気なんじゃなく、外れたんだな?」


「は、はい」


「となると、こっちのターゲットセンサーを読んでいる可能性が高いな。

スラリン、ランチャーは使えそうか?」


ランチャーはスラリンに吸収させて、一応曲がりを直して試射してある。


「やってみる」


ボシュ!  ドーン!


「誤差修正します」


ボシュ!  ドーン!


「命中しました」


新型は吸収させずに、解体屋に持っていく。

まだ納入されていなければ、高額になる。


「おっちゃん、新型だけどいくらで買う?」


「おお、早いな。5万だ」


「5万はねえだろ、10万」


「馬鹿を言え、こんなグチャグチャで……」


結局6万で引き取らせた。

ジャガーも売りさばいて、今日は結構な収入になった。

奮発してレタスとジャガイモを買い、ハウスユニットへ戻る。


「エルダ昼間の肉を焼いて、これも調理できるか?」


「ジャガイモは、栽培をお勧めします」


「そんなことできるのか?」


「エルダに不可能はありません」


メイドロボには、こうしたジョークの機能も備わっているようだ。

結局、ステーキとレタスのサラダが夕食となった。

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